米国知的財産権日記

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2008年 08月 15日 ( 1 )

知財管理不行届きの刑

日本は猛暑というのに、シカゴはなんて快適なんでしょう。。。。ここのところ、空は青空、温度は華氏で70度くらい、なんと素晴らしく過ごし易いお天気!日本の皆様すいません。。。お天気もいいことだし、バケーションシーズンでお仕事がスローだし、ということで、最近調子に乗ってブログ書いてます(笑)。来週になったらまたきっと、更新スピード激オチ。

日本でも最近「株主重視の経営」とか言われることもあるみたいですが、今日はアメリカの企業の株価の動きと知財について、です。アメリカはやはり訴訟社会ですし、特許侵害裁判なんてガンガン起きちゃうわけですが、自社の重要製品に対して特許侵害訴訟なんかが起きちゃったら大変です。恐ろしいのは賠償金より「差し止め」。。。つまり、将来の特許侵害を防ぐために、今後はその商品を売っちゃダメです、と決定されてしまうことです。

以前、ある特許侵害訴訟でやはり主力製品が差し止めになるかならないか、というケースがあったんですよ。これ、後で株価の変局点分析をすると、侵害裁判過程の中で、判事さんがある決定をしたり、という裁判の節目節目で株価が動いてることが如実にわかります。つまり、特許侵害裁判の様子を株主さんやアナリストの人達がずっとチェックしてるんですね。で、こりゃやばいぞ、このまま行ったらほんとに差し止めを食らうかも、となったら、株主が今株を売ってしまわないとまずいと、と売りに出る。そりゃあ株価も急降下です。

そうなると、売り損ねた株主は「ええい、経営者が知財をちゃんと管理しとらんからこんなことになったんじゃないか!俺の株の価値がこんなに落ちたのをどうしてくれるんだ!」、と、今度は株主代表訴訟を起こしちゃったりするわけです。(アメリカではあるんですよ。)特許所有者に訴えられ、株主に訴えられ、経営陣はまさに泣きっ面に蜂、もうアウトですな。まとめて、「知財管理不行届きの刑」になるわけです。

よく日本でこういうお話をすると、「そんなので株主代表訴訟になるの?」「株価が特許侵害訴訟の結果で動くの?」と驚かれます。あっまーい!はい、訴訟になるんですよー。はい、株価動くんですよー。

日本とアメリカって、まだまだ会社経営に関する受益者に認識差がありますよね。米国は株主第一。日本はお客様、従業員、株主っていう順番ですかね?私自身は、日本もアメリカに倣って株主第一になれ!というつもりは全くありません。賛否両論あると思いますが、実は日本企業の独自の強さの源泉って、このお客様、従業員、株主、という順番かもしれん、と思ったりもするので。。。(この仮説はまだ検証してませんけどね。)ただ、日本企業でも最近、外国株主の割合が増えてきてますよね。そうなると、「君らを知財管理不行届きの刑に処す」という株主だって出てきて不思議は無いわけです。

経営者のみなさん、知財が直接経営に跳ね返ってくる時代になりましたよ。くれぐれも知財管理不行届きの刑にならないようにご注意下さい。。。
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by suziefjp | 2008-08-15 04:18 | 知財経営

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


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