米国知的財産権日記

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ダメージ・ディスカバリー その4

いやー。。。。何を間違ったのか、結構書いた後、間違って消しちゃいました。。。ちょっと目がテンになりましたが、負けずに、今日は製造部門からもらう情報のお話です!昨日の話にもとづいて、少し場合分けをしながら見ていきます。


はい、損害賠償が合理的ロヤルティベースの場合、製造部門から必要な情報は、経理や営業から出てくる売上データとの整合性チェックがメインになりますね。たとえば、製造部門のデータではある月に200台製造・出荷となっており、営業の売上データでは「100台販売」となっていたとします。するとこの100台の差がうまく説明がつかないといけません。要は、「損害賠償を低くしたいためにデータ改ざんしてない」ということが分かればいいわけです。あと、会社によっては、例えば工場から出荷する段階で工場レベルで利益がのっかっていて、それを仕入れた営業さんが売る時に、また利益をのっける、というパターンもあります。「独立採算」の名の下に、各ステップでそれぞれ、利益をしっかり出さんかい!ということですかね。この場合、例えば工場からは製造原価に利益分+αを乗せて営業に出荷したとすると、営業からもらう売上記録の原価は「製造原価+α」になっているはずです。で、営業さんが別の利益「α2」を乗せて販売する。すると、この会社全体で得ている利益は「α+α2」となります。で、「α」のデータは製造部門からいただくことになります。結構こういうのあるんですよ。だからまず、知財の担当者の方が自社の製品の商流における利益構造を正しく理解しておくことがとても重要です。でないと、本来換算すべき利益が漏れ、後でそれが見つかったら「損害賠償を低くするためにわざとやったな!」といわれかねません。
あ、それから製造部門で何か製品の利益率アップや製品の信頼性アップのために工夫していることがあれば、そういうお話はぜひおうかがいしたいです。これは「その製品の利益率・信頼性の高さは製造上の工夫によるもので、特許技術による貢献ではない。」と主張し、と特許技術の価値を下げるためです。価値が下がれば、もちろん、算出するロヤルティ額は低くなります。


ロスト・プロフィットの場合、これは皆さんが特許侵害で訴えられたのではなく、皆さんが特許侵害で誰かを訴えたときに、損害賠償の算定をロスト・プロフィットで行うケースを考えます。前回申し上げたように、ロスト・プロフィットの場合、損害賠償を請求する側が「侵害者が製造・販売した製品を作る・販売する能力が自分達にもあった」ということを立証しなくてはいけません。ですから、たとえば、ある期間に侵害者が50製造したとすると、それを製造するだけの余力があった、ということを生産管理部門からのデータ等で証明しなくてはなりません。工場の稼働率なんかのデータですね。あと、ちゃんとそれだけ追加でつくるだけの原材料を調達うる能力があったか、これも問題です。ですから、これは調達部門のお話を聞き、どのようなデータでそれが立証できるかを検討しなくてはいけません。工場の設備としての稼働率だけではなくて、ちゃんとそれを動かすための人が十分にいたか、も検証が必要です。

損害賠償がLost ProfitとReasonable Royaltyの組み合わせになる、ということも別に珍しくありません。自分達で製造・販売する能力があった、という部分についてはLost Profit、それを越える部分についてはReasonable Royaltyという感じです。

あと、皆さんの特許が侵害されて、訴えた場合、必ずLost Profitを請求しないといけないか、っていうと、そうじゃないんですよ。別にReasonable Royaltyで100%回収しようとしてもいいわけです。これはみなさんが弁護士さんと判断して決められるといいと思います。ものすごーく手間がかかる、その対応コストを考えればLost ProfitよりReasonable Royaltyで賠償してもらうほうがラクでいいよね、ということであれば、無理にLost Profitを請求する必要はないんですよ。私はこのあたり、本当にバランス感覚だと思っています。結構、自分で計算しない弁護士さんたちは「Lost Profitでがっぽりいきましょう!」とか言いたがるみたいですけど、自分でやってみい!と、言いたくなるときもあります。それに乗せられちゃったクライアントさんとかは大変な苦労しますしね、あとで。それこそ、「こんなハズでは。。。」です。

近年、自分達では特許を使用しないけれどロヤルティを荒稼ぎするタイプの特許権行使会社とかもありますが、こういう人はまずLost Profitが発生しえないですね。するとダメージ・ディスカバリーで自分達が提出しなきゃいけない資料とか、すっごい少ないんですよ。だから「ディスカバリなんてラクだしー♪」と、簡単に訴訟ができちゃうのかなあ、と思ったりします。

うー、あと、判例で確立しているGeorgia-Pacificファクターというヤツをカバーしなきゃいけないかな。。。じゃあ、これを次回にしましょう。どんどんマニアックな話になってすいません。。。
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by suziefjp | 2008-08-30 04:57 | 知的財産権

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


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