「
管轄と送達と日本企業」で、日本企業が特許侵害裁判でどこででも訴えられてしまう~~!というお話をしておりました。この点、どうなることかと思っておりましたが、結局「そうなのよ、どこでも訴えられるのよ~~」ということでオチが付きそうです(涙)。
「
管轄と送達と日本企業 」の回で解説したように、Brunette判決において
最高裁判所は「外国人に対する訴訟は米国連邦管轄法のカバー外である」と述べ、そしてTC Heartland事件で最高裁判所が「外国企業の特許侵害裁判管轄地に関してここでは述べませんよ」と言っていました。じゃあ、将来、外国企業の特許侵害裁判管轄地も現在の「米国連邦管轄法のカバー外である」というものから何か制限がされるのかしらん?と少し期待しました。おそらく今回の事件の当事者である台湾のHTC Corporationも同じような期待をしたのかもしれません。ただ、ちょっと言い過ぎちゃったのかもしれず、「管轄法のカバー外だったら、そもそも外国企業は米国特許侵害裁判の対象になり得ないのでは?」という方向に議論が行っちゃったようです。
これに対して巡回控訴裁判所は「HTCの主張を認めると、外国企業は一切特許侵害裁判の対象にならないことになってしまう。」とまさにごもっともな指摘をし、TC Heartland判決はBrunette判決に何ら影響しない、と明示されたものです。
まだ将来的に何か最高裁判所が外国企業の管轄権について意見を述べる可能性はゼロではないかもしれませんが、今回はちょっと「過ぎたるはおよばざるがごとし」な感じのオチがついております。。。