米国知的財産権日記

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これぞプロフェッショナル

たまたま知り合いの方と今の日本の状況やアメリカの状況をお話ししていたときに、昔あった素敵な話を思い出しました。だから、忘れないうちに書いちゃおう、と思いまして。。。

昔、私が日本の会社で米国特許侵害裁判をたくさん担当させていただいていたときのことです。私は主にダメージ・ディスカバリの担当として経理、営業、企画といった方とのお仕事をしていましたが、必要に応じて技術側のお手伝いもしていました。で、あるケースでアメリカの大学教授にテクニカル・エキスパートをお願いしたんです。問題となっている技術について造詣が深い方です。

で、この方に日本に来ていただいて、問題の技術について実験を行うことになったんです。ある事象が再現できるか、というような話だったと思います。で、うちの会社の技術者の方と、この教授が実験の準備をしてくれたんですが、その中で、うちの技術者の方が驚いたのは、この教授が、準備にものすごーーーーく時間をかけるんです。機器のメモリなんかも0.00000001くらいの単位までしっかりあわせる。で、うちの技術者が、この教授に「先生、そんなにきっちりあわせなくても大丈夫ですよ。もし、結果が上手く出なければ、また調整してやりなおせますから。」と、おっしゃったら、この教授が「???なぜ調整してやりなおす必要があるんだい?条件を完全に整え、それで実施したときにおなじ事象が起きなければ、これは再現性がない、そう結論するんだよ。ダメならやりなおせばいいや、と思ってやると、いつまでも結論が出ないよ。それこそ無駄なことであって、実験の結果、前に進むためにこそ、完全な準備が重要なんだよ。」

これは当時のうちの技術者の方には衝撃的だったようです。ある方は「がつーん、と、頭を殴られた気がしました。」と、おっしゃってました。自分達がこれまで、どれだけユルい気持ちで技術開発活動にのぞんていたか、甘えがあったか、を、思い知った、と。

この教授は真のプロフェッショナルだなあ、と、思いました。後で誰かが「条件おかしかったんじゃないの?」というようなことを言っても、この教授は「条件には間違いありません。結論は、「再現性が無い」ということです。」と、言い切れるんでしょうね。これを言い切る自信が無い、あるいは、言い切りたくなければ、いつまでも、うにょうにょうにょうにょ、ちまちま条件変えながらやっちゃって、いつまでたっても結論が出ない、ということになるんでしょう。当時、ご協力いただいた技術者の方は「大体特許侵害裁判対応に時間とられるなんて、いいこと何も無いよ、と、思ってましたけど、非常にいい経験をさせてもらいました。目が覚めました。」と、おっしゃってくださいました。こんな風におっしゃってくださるケースは裁判担当者としてはあまり無いので(笑)、私もうれしかったですねー。

そういえば、私のコンサル時代の恩師に当たる方が、真のプロとは、「ゴルゴ13」だ!と、いうことを良くおっしゃってました。これも通じるものがあるなあ。。。。
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by suziefjp | 2009-03-07 01:52 | 知的財産権

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


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