あらためて機密保持契約を考える
今日はあらためて機密保持を考える、をテーマにしてみました。私がXX年前、ペーペーで企業法務に配属された頃、最初の仕事が機密保持契約と、特許使用料(ロヤルティ)管理でした。なつかしいなあ。機密保持は、それほど複雑ではないけれど、事業にはとても重要でかつ、契約の書き方とか、ポイントを抑えるには一番良い教材なのかもしれません。先日、お目にかかった日本の中小企業の方も「機密保持契約でヒドイ目にあったことがあります」とおっしゃってました。
機密保持契約は英語ではNon Disclosure Agreement としてNDAと呼ばれたり、Confidentiality Disclosure Agreementで、CDAと呼ばれたりしています。どんな条項にすればいいか、は、自分が機密情報を開示する側なのか、あるいは受領する側なのか、で、かなり変わります(と、いうか、真逆に考えていけばいいわけです)。
機密情報を受領する側にとってのチェックポイントは以下かなー、と思います:
-そもそも本当に機密情報なのか?契約ナシで受領できないか?
-機密情報には「機密」というハンコやラベルがつけられて明確に公知情報と明確できるようになっているか。口頭で開示される際には、開示の際に「これは機密です」と明示した上で、開示後一定期間の間に書面で内容の確認が行われるようになっているか
-機密保持期間は明確か
-相手から「機密」として開示されたものでも、自分が知っていたものは「機密」から除外できるような除外条項は入っているか
最低、これくらいチェックしておけば、ものすごい大問題がおきる、ということは無いように思います。(もちろん他にも気をつけたいことはたくさんありますが、キリがないしー。)
私が法務だったころ、一番びっくりした機密保持は、あるソフトウェア会社がΒ版のリリースに当たって説明会をします、というのを技術者の皆さんに発信したのですが、その説明会への申込書自体がさりげなく機密保持契約になっていたケースでしょうか。この会社はこういう契約とかで結構やることが、えげつない会社でしたが、うーむ、ここまでくると、ほとんど「ひっかけ」として楽しんでやっているのだろうか、と、すら思えます。
機密保持は結構他社の企業法務経験者に聞いても、どこも新人さんに積極的にやってもらっているケースが多いようです。機密保持契約の影響を考えると、これって、おもしろい傾向だなー、と、思います。たかが機密保持契約、されど機密保持契約。この契約をナメてはいけません。皆様、くれぐれもご注意を。