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米国知的財産権日記

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have made 権の取り扱い

5/22にCAFCがhave made権に関する判決を出しました。もともとユタ連邦地裁から上がってきたケースで、「CoreBrace LLC v. Star Seismic LLC」という事件です。

皆様ご存知の通り、Have Made権は、下請けさんとかにその特許技術を使って製品や部品を作らせることができる権利です。私が企業法務でライセンス契約をやり始めた頃、「right to make, use, sell, have made,,,」と続いていて「へー、アメリカの契約ってこんなに細かく書かなきゃいけないんだー」と思ったもんです。今回の判決は、このhave madeが明確にされていない場合、ライセンシーはhave madeできるのかどうか。判決の答えは「YES」、つまり、ライセンス許諾の範囲が「right to make, use, sell」とかで終わってて明確にhave made権が記載されていない場合でも、「have made権は除く」と明確に記載されない限り、have made権も許諾される、としました。みなさんがライセンシーなら結構な判決ですが、ライセンサーなら注意が必要です。have made権を許諾するつもりが無いなら、明確にhave made権を除外する必要があります。

今回のケースを詳細に見てみると、ライセンス契約の中には「ライセンシーは本契約で明確に許諾される権利以外は留保する」という条項が入ってました。なので、ライセンサー側は「have made権は含まれていない」とし、Contractorに特許技術を使用した製品を作らせたライセンシーを契約違反でライセンス契約を終了、特許侵害で訴えた、というものです。他にも色々討議ポイントはありますが、大きなところはここです。

これに対し、ユタ地裁もCAFCも「the right to "make, use and sell" a product inherently includes the right to have it made, "have made" rights are included in the License and not excluded by the reservation of right clause.」((特許技術を使用した)製品を製造、使用、販売する権利は元来「have made」権を含んでおり、この「have made」権は権利留保条項によって許諾範囲から除外されるものではない)と判断しました。ですから、皆さんがライセンサーの場合、「その他、本契約において明確に許諾されない権利は一切ライセンシーに許諾されるものではない」といった条項が入っていて、かつ、許諾条項に「have made」権が含まれていなかったとしても、have made権を許諾したことになるわけですな。

しかも本件では、契約書において「the License provides that Star(ライセンシー)owns any improvements to the technology by a third party whose services have been contractd by [Star]」(本ライセンスは、請負人としてライセンシーにサービスを提供する第三者による技術改良を所有する権利をライセンシーに与える)とあり、そのような技術改良をする第三者は多くの場合製造業者であることが想定され、よってライセンサーは製造業者がライセンシーのために特許技術を使用した製品を製造することを予期していたことが読み取れる、としています。要は、「have made権を許諾するつもりがないんやったら、あんた、そら、きっちり「have made権は許諾してまへんで。」と、書かんといかんわー。」ということですね。

ライセンサー側はインテルの判例で半導体のファウンドリー権を引用して議論しましたが、ここも裁判所は一刀両断、「ファウンドリー権とhave made 権は別モンです」と。まあ、言われてみればそんな感じ。

と、いうことで、「have made」権が明確に除外されていないライセンス契約では、ライセンシーの皆さんにとってはhave made権はmake, use, sellといった権利と一緒にinherentlyに許諾されている、といううれしいニュース、そしてライセンサーの皆さんにとっては「have made」権は許諾しちゃってる、と。許諾するのがイヤなら明確にhave made 権を除外しましょう。ただし、ライセンシーの皆さん、have made権は明確に除外されない限り含まれているわけですから、下請けさんとかに特許技術を使用した製品や部品を作って納入してもらったら、ちゃんとその分も特許使用料を払いましょうね(笑)。でないと、ロヤルティ監査で泣きをみるやもしれません。。。。
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by suziefjp | 2009-05-28 01:40 | 知的財産権 | Comments(0)
アメリカではメモリアル・デーの三連休が終わってしまいました・・・・。アメリカは祝日が少ないので貴重なお休み。しかも会社によってどの祝日はお休みにする、というのがそれぞれ違います。NYの法律事務所で働いていたときはユダヤ系の祝日が結構お休みになってたりしましたが、今はすんごい少ない(泣)。1月1日以来の祝日でした。次は7月4日の独立記念日まで頑張るぞ。。。。

メモリアル・デーではバーベキューをするのが定番で、私もいそいそと友人宅のバーベキューに行きました。そこで友人の友人とか初めて会う人も結構いるわけですが、もう相手が誰だろうが共通の話題、それは「不況」。寂しいなあ。仕事は何してるの?と聞かれて「えーと、知的財産権関係。」というと、大体「へー、そうなんだ!」と言ったあと、もひとつイメージが浮かばないようで流されます。さ、さみしい。

前置きがすっかり長くなりましたがこの不況のタイミングで特許棚卸しについて、もっかい考えてみます。
すでに その1その2とやってますが、今日は「その3」ですな。米国特許の維持費は皆様ご存知の方もたくさんいらっしゃるかと思いますが毎年ではなく、4年おきに支払いが発生します。3.5年目に980ドル、7.5年目に2480ドル、11.5年目に4110ドルという大枚を支払って維持します。結構な金額ですから、大量の特許をもつ会社はこの維持費支払いのタイミングで「うーん、どうすっかなー、これ、維持するかなー、捨てちゃうかなー。」と考えるわけです。特にこんなバリバリ不況ともなればなおさらです。

特許件数を9段階くらいに分けた「特許の質」における正規分布で考えると、ボトム2層には15%程度の特許が入ることになります。最下層には5%くらいですね。仕事をしている中で公知ではなく対価が必要な情報として見たものなのでここではソースは開示できなくて本当に申し訳ないのですが、ボトム2層の15%という割合は、日本企業を含む日本の名義人がもつ米国特許だけでみるとかなり減少します。つまり、日本の名義人が持つ米国特許の質は総じて良い、ということですね。私自身、家電メーカー、自動車、精密機器ぐらいの業界しか見てないんですけど、それらを見た感じでは日本企業の所有する米国特許でこうしたボトム2層に分布される割合は1~6%くらいのようです。これはやはり、日本特許をベースにまず権利取得し、良い技術、重要なものだけを米国でも権利化しておられるのだろうと思います。米国で権利化するにはさらにコストがかかりますから精査して良いものだけを権利化しておられるのでしょう。

さて!では、この下2層に属する特許を維持するかしないか、となると、みなさんが属する企業等で見ると下2層って何件くらいになりますか?米国特許を200件持ってる企業で3%が下2層と考えると6件がアウト。もちろん、そのまま割合だけで放棄を決めることはまかりなりません(これはその1にもある話なのでまたご覧ください♪)が、ここではこの6件は放棄しちゃう、と、考えます。6件ともとても新しい特許だったりして、これから4年目、8年目、12年目の維持費支払いが発生するとするとこれからのコストは約4万5千ドル!全部10年選手の特許だったとして、12年目の支払いだけが残るとしても、あと2万5千ドル程度のお金が必要です。200件のポートフォリオでこれくらいかかるなら、2000件、2万件のポートフォリオサイズならもっとすごいことになります。

しかも、日本企業の場合、こうしたボトムの米国特許に対応する日本特許の維持についても見直すとすると、もっと維持費インパクトは大きくなります。こうした見直しから削減できる維持費を将来コアとなる事業のR&Dに今からまわす、あるいはその事業のポートフォリオを強化するためにその分野の良い特許を外から買ってきておく、そうした費用に回せば不況を抜け出す頃には全速力でつっぱしる準備ができていることになるのでは!?と思います。

余談かもしれませんが、日本企業が所有する米国特許のボトム2層の割合が1~6%ってのも相当幅があります。私が見たデータでは、同じ業界に属する企業群でこれくらいの幅がありました。これは実は如実に特許力の差をあらわしているのではないでしょうか・・・。まだまだ特許を定量的に評価する、ということはあまりメジャーではなく、その理由は「その定量評価の数値自体、信用できるの?」というのが一番ひっかかっているところだからです。でも、案外、「うーん、なんとなくこの評価は当たってるような。。。」と思える定量評価があるなら、一度ボトム層を同定してみて維持費削減インパクトを数値化してみる、というのも新しいことが見えて面白いかもしれません。(しつこいようですが、単にコスト削減じゃなくて、削減費をR&Dにまわすとか特許を外から買うとか、絶対前向きな活動を並行してくださいね。でないと権利化活動自体が萎縮してしまいます。。。)100年に一度といわれる不況のときこそ、これまでだと「そんなの信用できんの?」と思われているような新しいアプローチをあえて試してみることが正当化できるかもしれませんね!

それにしても特許1件、その寿命をまっとうさせると維持費だけで7570ドルというお金がかかるのですね。ここに出願費とかそのための弁護士費用とか入るわけですから、特許って、お金のかかる子供です。これで遊休特許だったらそれこそ道楽息子、あるいは道楽娘。こんだけお金かけたらその分、しっかり働いてもらわんといかんです!!こういう庶民的発想で特許の活用を考えると案外分かりやすい気がするのは、私だけ?だって庶民なんですもん、私。。。
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by suziefjp | 2009-05-27 11:30 | 知的財産権 | Comments(0)

やばいカップケーキ

最近、私が超ド級にハマっているもの。。。。カップケーキでございます。本当にお菓子学校にフルタイムで行ってカップケーキ屋さんとしてデビューしたいくらいハマっております。(って、ウチのに言うと「そう思えるものがあるならやったほうがいいよ!」というんですが、いや、そんなに思い切りよくないのよ、私は。。。)

中でも職場からも近い「Sugar Bliss」というカップケーキ屋さんはお気に入りです。b0149998_107743.jpgシカゴの中心地、Loopと呼ばれるエリアにあります。カップケーキは全部で20種類くらい!そのうち毎日数種類が日替わりで提供されています。ある意味、職場に近いのは危険。まさにやめられない、止まらない、なのです。はあ・・・。私は昔は大嫌いでしたが、今やミントとチョコレートの組み合わせは大好物(人間、変れば変るもんですな)。チョコミントカップケーキなんて、もう涙モノにおいしいです。ウチのはチョコレートココナツが一番おいしい、といってます。

アメリカのケーキって、日本のに比べると、とにかくスポンジがまずいんです。パッサパサ。日本のようなフワフワのケーキにはなかなかお目にかかれません。でも、このSugar Blissのはスポンジが結構しっとりしてておいしいんです。(まさに英語でも「moist」と表現します。)b0149998_10124375.jpgカップケーキは普通サイズが一つ3ドル50と、結構高め。普通、カップケーキは大体2ドルから3ドル弱、というイメージですから、間違いなく高い。でもねー、おいしいんです♪特にすばらしいのは一口サイズの「ミニカップケーキ」。一つ1ドル50セントなり。ほらほら、かわいー♪カップケーキの上のバタークリームとかを「フロスティング」と呼びますが、ここのデコレーション可愛くないですか!?フロスティングが花びらのようなのです。うおおおお、たまらん。これは本当に一口サイズ(いわゆるbite sizeというヤツですね)で、これを2個食べるほうが、普通サイズを1個食べるより、なんとなく罪悪感がない・・・気がします。b0149998_10161066.jpg大きさは25セント硬貨と比べるとこんな感じ。はあ、もう毎日1個、この小さいのを食べたい。

普通のケーキも大好きですが、なぜだかカップケーキはお手軽なのに、幸せ度が高いのです。なんでかなー?日本でも最近、カップケーキが少しずつ受け入れられつつあるとか。そうそう、私にとってカップケーキ、というからには絶対、フロスティングがあってほしい!!フロスティングのないカップケーキって、もちろん生地もちがいますけど、でも、なんとなくマフィンっていうか、朝ゴハンな感じがします。カップケーキの真髄はフロスティングだ!!と頑なに思っているのです。ちなみにSugar Blissでも「Breakfast Cupcake」にはフロスティングがありません。お願いすれば追加料金でフロスティングしてくれます。

ここのところ、色んなカップケーキを食べていて、別にカップケーキブログを立ち上げようかと思うくらいです。ウチのには「研究のために色々食べなきゃわかんないでしょ??将来に向けた投資だよ、投資!」と、言ってあるので暖かく見守ってもらってますが、絶対「ああヤバイ、絶対太る・・・」と思ってると思います。ご、ごめんね、カップケーキ、やめられないのっ!

今度はドコのを食べようかな♪ シカゴにお越しの際は、ぜひぜひSugar Blissのカップケーキをお試しくださいね!
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by suziefjp | 2009-05-21 10:25 | シカゴグルメ | Comments(0)

知財界は鎖国中か

たまたま日本のメディアさんとお話していて、ふと思いついたテーマです。

例えば、知財関連イベントがあるとします。すると、いつも参加面々、スピーカーは結構同じだったりする。よく私も「まだまだこの業界は狭いですからねー。」と、言いますが、じゃあ、広くなる可能性ってあるんですかね?ここ数年(4-5年)、メンツは同じだったり、、、という気がするのは私だけ?メディアさんとお話していて思いついたんですけど、いかんせん、知財の話って一般ウケしないんですよね。いや、ウケる必要はないんだと思うんですけど、少なくとも、理解してもらえるように我々知財担当者が話しているかどうか、というところが鍵なんだと思います。

知財に限らず、やたら専門用語を使いたがる人っていますよね?どうだ、俺がやってることはこんなに難しいんだぞ!みたいな。で、そういう話が終わったら、オーディエンスはどういう反応をするか。「いやー、難しいことやっておられるんですね。こりゃあ理解するのにあと10年かかりそうだ。」そして大団円、わっはっは。でも、これって、話した方も、聞いていた方も、その投資した時間コストって回収できたんでしょうか?成果はきっと、話し手の自己満足と、あと、聞き手は「この分野はしばらく放っておこう」というネクストステップ決定。これって、話し手が本当に狙うべき成果だったのでしょうか。

アメリカの弁護士さんはスピーチがうまいとか、プレゼンがうまい、と言われる理由の一つは間違いなく陪審裁判制度があるからです。陪審に来る人は本当にフツーの人です。陪審選びの時には営業担当サラリーマンが「俺の給料はコミッションベースなんだ、陪審の報酬では家族をサポートできないから、お願いだから免除してくれ」というケースもあるくらい、一般の人、普通の人です。こういう人たちに正しく理解してもらえるようにお話が出来てナンボ、ですから、専門用語を駆使するとか、「難しいですねー」と思ってもらえるように話す、なんて問題外です。相手にわかってもらうように話す、これが最優先事項です。

でも!結構知財業界を見てみると、例えば特許の話だと「ああ、文系の人にはわかんないよね」と、あしらってみたり、技術分野が違うだけで、もう天と地ほどの差があるぜ、という話になったり、、、いや、そりゃそうかもしれないんですけど、そこで終わっていいんですかい!?「話す」という行為はコミュニケーションの手段であって、話が終わったときに聞き手にどういう状態になっていて欲しいのか、を話し手はもっと真剣に考えるべきなのだと思います。と、すると重要なことは、いつも、自分がコミュニケーションする相手はどういう人なのか、それにあわせて内容、言い方、話の順番を調整し、終わったときには「!」という気づきを聞き手が持ってくださって、もう今日、この瞬間からこうしてみますよ!と、言ってもらえるような形で終わりたい。知財業界がみんなでこれを目指すことが、知財国の開国の第一歩ではないかと。

私自身、お仕事の中で一番聞いていてツライ話は「so what?」が無い話。いや、だから何なのよ、何がいいたいのよ、という話は聞き手にとって一番苦痛です。多分、我々知財業界が気をつけなくてはいけないのは、これまで知財に縁がなかった人たちにお話をするには、知財をちゃんとすることで、その人達にとってどんなメリットがあるのか、を、分かり易く伝える、ということなんだと思います。例えば全然知財やってない人に「こういう法改正があるとこれまで濫発されていた特許登録が正常化する」とかいっても、なーんの意味もないですよね。それこそ、「だからなんなの?」と聞きたくなります。

そんなことより、「こうして持っている特許のいる、いらない、を、判断して、いらない部分を処分する、たとえば、年5件、いらない特許を放棄すると、10年間で○○円のコスト削減ができるんですよ!」こういう話のほうがよっぽど「おっ!」って響くんだと思います。そしてさらに重要なこととして、できるだけ定量化してお話をする、というのもあると思います。案外、概念論で終わっちゃう人が多いんですね。でも、数字がないと具体的なイメージが沸かない。知財の人はコツコツ、出願の「てにをは」まで細心の注意を払ってやってこられた方が多く、こういうザクザクの数字を出してお話しすることに強い抵抗を感じる方も多いみたいです。「そんないい加減な話は出来ない」と。でも、これっていい加減な話でしょうか?なんでいい加減なんですかね?このあたり、実は気持ちの問題、これまで自分がやってきたことのベンチマークから離れられない、かつ、課題同定が間違っている、という可能性があります。「なんでいい加減なんですか?」「年5件が正しいのかどうか分からないじゃないか!」「いや、だから、年5件と想定すれば、数値は正しいですよ。年10件のほうがよければそれで計算しなおせばいいじゃないですか。」「そんな話じゃない!年5件がいいのか悪いのかも分からないうちに、そんな話をするのはいい加減だと言ってるんだ!」そもそも、年5件かどうか、は、イシューじゃないですから。。。こういうところに捕まってしまう人は経営者向きではなく、ここから脱却できない限り、こういう人が知財経営をするのは不可能だと思います。今自分が解こうとしている問題はなんなのか、伝えようとしているメッセージは何なのか、それを常に頭に叩き込んでおかないとこういう枝葉末節にはまり込んでなんのアウトプットも出せない、ということになります。上の例でいくと、年5件は今の課題ではなく、今の課題は知財棚卸がいいことだと分かってもらうことです。そこが通じると、ネクストステップとして、じゃあ、その聞き手の企業にとって適切な棚卸件数はどの程度なのか、を、データ分析して同定することになります。

日本でも知財経営、知財経営と言われて本当に本当に久しいです。一方、知財経営が進んだか、と言えば、実はあんまり進んでいないかもしれなくて、なんだか知財人が集まって「やっぱり知財の話って難しいんだよねー、なかなか分かってもらえないよねー」と仲良しクラブになり、そこに知財バックグラウンドではない新参者が新しいビジネスで入って来ようものなら、まず「あいつは分かってない!」と、叩く!これは鎖国以外の何者でもなくないですか?先入観がないからこそ見えること、気づくこと、も、たくさんあるはずで、我々知財業界自身、もっとオープンに色々な人に参加してもらいやすい土壌造り、そして参加してくれた人の意見をきっちり聞いて活かす、ということにもっともっと努力しないと知財経営なんて実現できないのかもしれません。

私の大好きな松下幸之助は「素直な心」というのをとても重視しておられました。「素直な心というものは、すべてに対して学ぶ心で接し、そこから何らかの教えを得ようとする謙虚さをもった心である」と。もし、我々知財業界の人間の話が業界閉鎖的で一般の方に分かりづらいものになっているなら、そういうフィードバックを謙虚に受け止めて改善していくことで、知財が経営に貢献する環境、つまり、開国につながっていくのかなー、と思います。
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by suziefjp | 2009-05-20 02:03 | 知財経営 | Comments(0)

サロンコンサート♪

シカゴもようやく良いお天気の週末です。平日も少し暖かくなってきましたが、雷雨が多いんですよねぇ。天気予報では今週半ばには華氏80度とかになるみたいで、ちょっとうれしいです♪

この日曜日はウチの人のギターの先生の家で、先生の友人のイタリア人クラシックギタリストがコンサートをする、ということで行ってみました。先生はJack Cecchiniという方で、ウチのが大好きなジャズ・ギタリスト、Joe Passのお友達だった人です。もともと、Jack先生のレッスンを受け始めたのは、ウチのがずっと欲しがってたBenedettoのギターを買ったところにさかのぼります。Benedettoのギターは日本でも「ウルルン滞在記」で山本耕史さんがギター作りを習いにいった、ってのをやってたかと思います。で、ここのウェブサイトをこまめにチェックしていたウチのが、むちゃくちゃ欲しい!と思うギターが「New!」というので出たのを見て、Benedetto社に電話。Benedettoは量産なしの手作りで、とにかく値段だけでも知りたい!ということで「これ、いくらで売るの?いつから売るの?」と聞いたところ、「えーと、ちょっと待って。ボーブッ、ウェブサイトの新しいギターはいくら?」と、いきなり製作者本人のRobert Benedettoさんとお話することになり。。。この辺がアメリカっぽい(笑)。

それで購入したわけですが、その時にシカゴでジャズ・ギターの勉強をしているという話をしたときにベネデットさんが紹介してくれたのがジャック先生だったのです。ベネデットさんの紹介で早速ジャック先生のところに行ってみた日は、帰ってきてから「すごい!Joe Passの親友だった!Joe Passが死んだときに棺を持った人だった!」とか、そりゃあもう大騒ぎ。そして、初めての宿題は「電話番号帳にある電話番号をとりあえずたくさん弾く」というものでした。私は全然わかりませんが、ジャズって、例えば電話番号が312-123-4567とかなってると、その数字で弾けるんですか?(ほんとにわかんない。。。)で、それで数字を見たらすぐ弾けるように、というのを練習してました。ずっとやってたので、シカゴの市外局番312の音は覚えてしまった。だから市外局番は飛ばして練習するようお願いしました(笑)。

で、そのジャック先生のお友達のイタリア人はAldo Minella氏。御年70歳。白髪の紳士でした。Minella氏はこの世界では有名な人ということで、せっかくだからジャック先生が自宅で椅子を並べてのサロンコンサートを生徒達、友達のために企画なさった、と。サロンコンサートって、なんかおシャレな感じがしてしまうのは私だけ!?リビングルームにずらーっと椅子が並べてあって、そこで1時間超、Minella氏のギターを堪能させていただきました。すごいなー、70歳。きっともう少し若いときはもっとバリバリだったのかもしれませんが、70歳の今だからこそ、の音もあるんだと思います。特に柔らかい音は本当に柔らかくてステキ。

コンサートの後は、先生の家の1階に移動してコーヒーとかクッキーをつまみながらそれぞれお話しする、という趣向でした。Minella氏は奥さんもご一緒で、「妻から「どうしてバケーションにいけないの?」とよく言われたんだけど、ギターはやっぱり毎日練習しないといけないからね」というお話があると、ウチのも「そうそう、ギターはほんとそうですよね!」・・・・誰に向かって言ってるんだろう?Minella氏?それとも、隣の私に「だから仕事してない時間、たくさんギターに使っても許してね」と言ってるのだろうか。ウチのが「ギターを仕事にしたい!」といったときは、さすがにMinella氏は「そうなれるのはほんの一握りだけだからねー。」と冷静なコメント。ほー、あぶない、あぶない。

確かにそうなれるのは一握りで、「極める」と、いくつになっても、マエストロとして現役で活動できるのだろうなー、と思ったりもします。Minella氏はこれからも色々なところで弾くんだろうなあ。ジャック先生と同じように、教えるほうも大忙しらしいです。

ウチのは日本が大好きなので、日本に住むのもうれしい!と、言いますが、どういう先生に習えそうだ、とか、どういう人の演奏をナマで聞ける、とか、そういうのを考えるとアメリカのほうが環境は良いように思います。それにしても、やっぱり何度聞いても一番ビックリするのは、ギターの値段を聞きに電話したら本人が電話に出てきたBenedettoさんですけどね。フットワーク、かるすぎ!?でもそのとき、結局本人から、「値段はわかんないから奥さんに聞いて」と言われたらしいですが(笑)。それで値段以外の話で盛り上がってジャック先生を教えてもらったんだから、まあ、結果オーライでしょう!
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by suziefjp | 2009-05-19 04:18 | アメリカ生活 | Comments(0)
このブログでは特許の話がほとんどですが、たまにはこういう特許以外の知的財産権の話はどうでしょう。今朝の知財関連ニュースで、残念ながら経営破たんしてしまったアメリカの家電量販店「サーキット・シティ」がその破産プロセスの一部として、所有する商標、Eコマース事業、ドメインネーム、顧客情報を競売手続きで売却した、とありました。

売却価格は1,400万ドル。購入者はコンピュータその他の家電製品を扱うSystemax Inc.です。どのような手続きだったか、というと、4月の半ばの段階でSystemaxがStalking Horse Agreementに署名し、今回こういうものを650万ドルで買うよ、ということを公にしてました。それを受けて、この650万ドルを基準にして今週火曜日に競売が行われ、その結果、1,400万ドルまで跳ね上がったそうです。

ちょうど先日、商標はどの程度で売れるか(あるいは売れないか)というご質問を偶然、複数の方からいただきました。商標の売却が絡むのはやっぱり事業撤退が多いです。商標だけで取り扱うよりも、やっぱり事業そのもの、ドメインネームなんかもつけて。。。というのが売れるパターンでしょうか。商標だけ、ドメインネームだけ、という取引ももちろんあります。商標は「どれだけ知られているか」というのが鍵になってくるようです。昔使用されていた商標の方が売れ易いみたいです。これはやっぱり、その商標を聞けばある一定のイメージが浮かぶ、というところが着目されるんでしょうね。このあたり、商標はドメインネームとはかなり違います。適当にドメインネームをざざざざざーっと押さえちゃって、後でそれを欲しい企業に売りつけるようなのがありますが、あれはどうだかなあ・・・。

商標だけで売ろうとすると、まずはその商標が過去使用されていたか、その上でその商標にどういうイメージがついているか、が、取引の可能性を左右します。細々と使用されていたタイプの商標はまず難しいです、残念ながら。今回のケースはなんといっても「サーキット・シティ」ですからねー。大きいですよね。本当は、商標、ドメインネーム、Eコマース事業、顧客情報のそれぞれが価値としてどのくらいの割合なのか、興味津々知りたいところですが、それはきっとオープンにならないんだろうなあ。うーん、残念。
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by suziefjp | 2009-05-16 03:05 | 知的財産権 | Comments(0)

考える力

ここのところ、日本でいわゆる一流と言われる大学の学生さんとやりとりをする機会がありました。そこで感じたのですが、私なんぞに比べるとまだまだ脳みそも柔軟でガンガン吸収できる年代なのに、なんだか硬直的なのです・・・。ある問題についての課題解決の幅が狭いというか、なんというか。誰かに「これが問題だよ」といわれると、その指摘された問題をas isで解こうとするんですな。ある意味、とてもマジメ。でも、これだとソリューションの広がりがない、というか、解くべき問題はほんとにそこなの?というのが考えられてないというか・・・。他にもこういう経験をされた方、いらっしゃいませんか?

とても優秀な学生さんなのですが、まだまだ若い皆さんに思考の広がりが感じられないのは、なんだかとても寂しい気がします。もっと自由に考えていいと思うんですが。一方、私がおつきあいいただいている日本の知財サービス業や弁護士・弁理士の先生は、最近、良く大学の教授や講師をお引き受けになって、実務経験にもとづく知財関連講義を提供しておられます。皆さん、本当にお忙しい方ばかりですが、それでもちゃんとシラバス作って講義してテストもして、って、すごいなー、と思います。こういう努力が次世代の知財プロフェッショナルを作っていくのだ!と思うと、うれしいものです。

こうした中で、知財だけに限らず、うまく「考える力」が育ってくれたらいいなー、と思います。ちゃんと考える力って、身につけば知財だけにかぎらず、いろんなことに使えます。日常生活しかり。私の恩師である先輩コンサルタントの方はよく「悩んじゃダメだよ。考えるのはいいけど、悩むのはダメ。」と言ってました。最初はコレ自体が分からず悩んでましたが、今思えば「悩む」というのは思考が停止している状態のように思います。どーしよっかなー、と思ってるけど、別に筋道たてて考えてるわけじゃなくて、なんとなく時間を無為に過ごしている感じ。外から見ると「悩む」も「考える」も同じに見えるかもしれないんですけど、
「考える」の場合、脳みそはフル回転してるんですね。

よくトヨタで実践されていること、として「なぜなぜ5回」というのを聞きますが、あれはまさに「考える」ですね。例えば、「うちの会社で出てくる特許は今ひとつデキが悪い」というお題があったとします。コレに対して、「デキを良くしろ!」というのは号令、あるいは掛け声であって、解決策ではないです。こういう号令だけを声高に叫んで「なんで君たちは俺のいうことができないんだ!」とか言う人の下では絶対働きたくないものです。こういう人が知財トップだと、その企業での正しい知財経営の実践は望めないかと思います。いや、あなた自身がまず経営を勉強してください・・・というところでしょうか。

「うちの会社で出てくる特許は今ひとつデキが悪い」ということに対して「なんで?」と考えてみると、例えば「請求項が狭いから」というのが見えるかもしれない。ここで、「請求項を広く書け!」というのもショボイですね。ここはまだまだ「なんで?」と考えてみる。すると、実は請求項が狭いだけじゃなくて、特許がカバーする技術そのものが狭いと見えてきた。そこで、も少し「なんで?」と考えてみる。すると、技術者が特許1件あたりに入れる技術を狭くしてるから、と。ヨシ、も少し考えてみよう。「なんで?」って考えると、技術者が自分の成果である発明を3つ4つに分けて特許化してることが分かった。さあ、もう一息だ、「なんで?」技術者に言わせれば、年間3件の特許を出せ、というノルマがあって、これを達成するために1件の特許としておけば強い特許になったものを、わざわざ3つとか4つに分けていた、と分かった。ここまでくれば、具体的なソリューションは見えてきますよね。現実のケースであれば、もっと調べないといけませんが、ここだけを見れば「ノルマを失くす」というのがソリューション候補として上がってきます。「ノルマを失くす」は「デキをあげろ!」に比べれば、よっぽど具体的で明日からでもアクションに移せそうですよね?

私の恩師の教えのもう一つが「戦略は実行可能なものでなくてはならない」ということです。つまり、戦略自体がアクションプランである必要があるわけです。たとえば誰かが「こういう戦略を考えたんだよ。この戦略を実行するための第一歩になるアクションを君が考えてくれないか?」・・・この時点でアウトですな。戦略こそがアクションでなくてはいけないわけで、この人が考えたのは戦略ではなく、ビジョンとか目標、そういったことのハズです。言葉ジリかよー、という話にもなるかもしれませんが、言葉って大きいですよ?案外、言葉の定義がそれぞれズレているから話が通じないケースもたくさんあります。日本語同士でも、これは多分よくあるケースだと思います。例えば「お昼からでかけよう」といったときに、Aさんは午後1時、Bさんは午後3時と思うかもしれない。Bさんが用意できたときには、もうイライラしまくったAさんは「あら、もう今日は行かないのかと思ったわ!」と、嫌味の一発からスタート。なんでAさんが怒ってるか分からないBさん、さあ、どうする?てな感じです。ちょっと話がそれましたか・・・。

学生さんと話していて思ったのは、出てくる案が、掛け声じゃないんですけど、「Aができてない」じゃあ、「わかりました、Aをやるように考えます。」てな感じなんですよ。Aができてない理由はなぜ?と考えていかないと、解決策に深みが出ないし、深みがないと、実はどーでもいい表面的なことをささっとケアしただけで根本的解決に至らないことが多いんですよね。するとそこが膿みたいにたまっちゃって、後でもう手がつけられない問題として顕在化しちゃったりします。

知財経営もしかり。まわりが知財経営、知財経営、と言ってアレをやってるから、ウチもアレしようぜ!なんてのは良くないですね。色んなことを深みをもって考えるようなクセをつけると、これまで見えてこなかった新しいことが見えてくるかもしれません。そうすると、こんな不況の中でも、世の中おもしろくなるかもしれませんよ!
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by suziefjp | 2009-05-15 02:12 | 知財経営 | Comments(0)

出願を見直す

今日はシカゴの知財法律事務所でご活躍の日本人の先生にお目にかかる機会がありました!アメリカでバリバリやっておられる先生ですが、非常に腰がひくく、物腰柔らかな先生でした。

アメリカでご活躍の先生の場合、やはり日本企業が一番気になるトピックとして侵害訴訟のお話をなさる先生が多いです。これはもちろん重要なことで、我々もディスカバリーなどをやっていると日本の企業文化などを知っている方が米国側の対応メンバーにいることの重要性を痛感することがあります。本当に小さなことですが、例えば2005年の売上データです、とだけあると、アメリカ人の殆どは2005年1月から12月までのデータだと思います。我々日本人が聞くと、多分2005年4月から2006年3月までのデータかな、と、思います。(もちろん会計年度を確かめますが。)言わずもがな、なことが一番危なかったりするのです。ですから日本の先生が訴訟チームにいてくださるというのは、日本企業にとって、特に訴訟慣れしておられない日本企業の場合(まあ、訴訟慣れしてるのが良いか悪いかは別ですが・・・)、非常に心強いことです。

もちろん、今日お目にかかった先生も訴訟を担当されますが、むしろ、日本企業が知財で強くなるには、出願からみなおさなくては、ということに危機感をお持ちでした。ポートフォリオを組む、という考え方、そしていかに特許出願をドラフティングするか、という点です。これは以前、我々も日本のポートフォリオを拝見したときに思ったことですが、クレームの書き方など、日本発の特許にはクセがあるようです。先生は、日本特許の出願を多く取り扱う中で、どうしても審査官が審査し易いように草案するようになる場合がある、と。これは指導とか、色々の要素があるようです。そうなってくると、もっとわがままに、強い特許はこうだ!どうだ!という草案の仕方をしなくなってしまうし、本人(企業)だけではなく、草案を請け負う方もそういう傾向になってしまう、と。これが定着すると、米国特許の出願準備においてもそういう形になってしまい、せっかくのいい技術が、ベストの形で権利化されなくなってしまう、というご心配をおもちでした。

こういうお話はおもしろいなー、と思います。米国での出願をどうしていくか、というのは、あまり米国でご活躍の日本人の先生が講演等のトピックで扱ってくださらないような印象もあるんです。こうした先生が日本にいらした際に広くこのようなお話を日本でして下さったらうれしいなー、と思います。

よくアメリカの特許制度はズルズルで、日本に比べると締りがないというか、あんなのが特許でいいのか!?というお怒りのコメントもよく日本の方からおうかがいします。でも、ある意味、郷に入っては郷に従え、で、制度としてあるものなら、ガンガン利用してしまって仮出願や継続、分割、そういったものも活用して強い特許、強いポートフォリオを獲得する、ということを実践してしまっていいのだと思います。(もちろん、不要な継続や分割をすると維持費が嵩むだけですが・・・)。日本的な潔さはステキですが、たまには利用できるものは利用する、そうした考えもあっていいのだと思います。今日お目にかかった先生はそこを冷静に見つめておられて、先生とお会いした後は、清々しい気分でサイコーのお天気のシカゴの街を歩いてオフィスに戻りました。はー、気持ちよかった♪
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by suziefjp | 2009-05-13 07:47 | 知的財産権 | Comments(0)
そうそう、一つ忘れてました。不況でこれまで契約していたデータサービスやシステムをやめちゃう会社もたくさんあるようですが、「安く判決を入手する方法はないですか?」と以前聞いてくださった方がいらっしゃいました。特許は基本的に連邦の管轄ですから、連邦裁判所さえカバーできれば!ということで良ければ、PACERが一番安いかな?と思います。ダウンロードが1ページあたり8セント。30頁くらいだったら今のレートだと300円以下。サイトは英語しかないですが、「U.S. Party Case Index」から、当事者名などで検索もできるので使いやすいと思います。

コスト削減で従来のピカピカの米国の法律・判決検索システムを切られちゃったりした場合、連邦判決とかについてはPACERでカバーできるかと思います。
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by suziefjp | 2009-05-07 01:40 | 知的財産権 | Comments(0)

不況だからこその課題

いやー、、、景気悪いですね。今更、っちゅう感じですが、ほんとに不況。うちの会社もウェブサイトの「Career」のところにたくさん出ていた募集も、今は「募集してません」に変わりました。最近は、人気レストランでも結構すぐ予約できちゃうそうな。みんな外食をしなくなってきてるんでしょうか。同僚のお姉さんが今年ロースクールを卒業ですが、就職が無いらしい。アメリカのロースクールなんてすんごい高いし、みんな弁護士として就職して、そのお給料でローンを返す予定だったのに、どうなるのでしょう。。。

不況になると採用が減ると同時にレイオフが増加。レイオフされなくても、これを好機と見て独立する人たちも出てきます。そこで最近アメリカで話題になるのが人とともに知財が流出することをいかに防ぐか、です。この関係で、連邦法ですがComputer Fraud and Abuse Act (CFAA)というのがあります。これは、従業員に使用させているPCを含む電子データの取り扱いに関する法律です。今日も知財関係のコラムに出ていました。

今年の判決で、Lasco Foods Inc. v. Hall and Shaw Sales, Marketing & Consulting LLC というのがあるのですが、これは会社を辞めた従業員二人を会社が訴えたものです。かいつまんでいうと、この従業員が会社が貸与していたPCを会社からの要求にもかかわらず1-2ヶ月程度返却しなかったこと、そして、データを削除したことが会社に損害を与えた、というものです。

CFAAは雇用主が被る損害(damage)を「any impairment to the integrity or availability of data, a program, a system, or information」(データやプログラム、システム、情報の完全性を損ねたり、その使用やアクセスを損ねること)とし、損失(loss)を「any reasonable cost to any victim, including the cost of responding to an offense, conducting a damage assessment and restoring the data, program, system, or information to its condition prior to the offense, and any revenu lost, cost incurred or other consequential damages incurred beacuse of interruption of service」(データやプログラム、システムや情報を問題が起きる前の状態に回復するために要したコストや、問題への対応、損害の算定に必要なコストを含む合理的コスト、そしてサービスの提供の妨げにより発生した売上の損失、コスト、その他の偶発的損害をも含む)としています。さらに「損害」は「a cost of investigating or remedying damage to a computer, or a cost incurred because the computer's service was interrupted」(コンピュータへのダメージの調査やその回復に要したコスト、またコンピューターが使用できなかったことにより発生したコスト)も含みます。

このケースでは元従業員が物理的にPCをある期間返却しなかったことにより、会社側はそのPCを使えませんでしたから、使用やアクセスが損なわれてますし、実際に、従業員はデータを消してPCを返却したようで、会社側はデータが削除されているか、どのようなデータが削除されているか、を調べるためにフォレンジック・サービスを使っています。これに要した費用もすべて「損害」になります。コラムでも言っていましたが、あまりややこしくシステムとは、情報とは、とかを技術的に考察するよりも、常識的にCFAAを適用した、という感じです。

こういうのは営業担当者が会社を辞めるときに日本でもありそうな話ですね。一番重要なのはやはり顧客データ、お客様とのやりとり、とか。顧客データの持ち出しは日本でもよく問題になりますが、お客様とのメールでのやりとりなんかは日本の場合どういう扱いなんでしょうね?CFAAの場合、そういうものを「ええい、辞めてやる、もっかいゼロから顧客開発せえっ!」という感じで削除しちゃうとアウト、という感じですねー。レイオフされた日にはムカついて削除しちゃうかもしれませんが、レイオフされるは、それで後で会社から訴えられるわ、ではシャレになりません。人間、一時の怒りで行動するとイカン、ということでしょうか。(私は一時の怒りで、というより、ネチネチ根にもつタイプかもしれない。。。)

このほかにも、特にエンジニアの方が辞める、あるいはエンジニアの方をレイオフしちゃうときは、できかけの発明なんかがエンジニアの方と一緒に消えちゃう、というのを会社側は一番怖がります。そのあたりはまた今度のトピックということで。

不況だよねー、という話で、友達に「日本でカップケーキ屋さんになりたい。日本ってまだカップケーキがあんまりなさそうなんだもん。あんなにかわいくておいしいのに。」というと、とうとう不況が脳に来たか、あるいは新型インフルにやられたか、という反応をされました。本人、結構真剣だったんですけど。。。(泣)
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by suziefjp | 2009-05-07 01:22 | 知財経営 | Comments(0)

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


by suziefjp