米国知的財産権日記

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今日は久しぶりに英語ネタでいきたいと思います。なんのことはない、ウチの人がジャズ・ギターを最近真剣にやってまして、先生のレッスンとかも受けてるんですが、そういう話をしていて思いついただけなんです(笑)。

もともと、ジャズの世界から特殊な英語が生まれて、それが広く使われるようになる、というのは多いそうです。もはや日本語でも、「かっこいい!」という意味で使ってる「クール(cool)」、これはもともとジャズプレイヤーがこういう使い方を始めたそうな。ジャズって結構先進的で、この間、就任演説でオバマ大統領が「60年前にレストランに客として入ることが許されなかった男の息子が今こうして・・・」というくだりがありましたが、黒人に対する差別なんかもジャズプレイヤーどうしのなかでは薄かったと聞きます。むしろ、あるお店が「黒人のプレイヤーはちょっと」というようなことをいうと、白人のプレイヤーが「こいつがメンバーに入らないんだったら、オレもプレイできないよ」というようなことを言ってたんですね。これこそ、クール!です。

あと、「言ってること分かる?」という意味で「dig what I'm saying?」。これも、ジャズメンですね。なんで「dig」って言うのか知りませんが、でも、こういう言い方をします。おもしろいので、ウチの人に、「他には?他には?」と、聞いてみたところ、楽器の呼び方。これはギターだろうが、トランペットだろうが、楽器を「ax(斧)」という言い方をするそうです。たとえば「じゃあ、ちょっと楽器だして弾いてみてよ」というのが、「Ok, pull out your ax and play.」てな感じです。これも、なんで「ax」なの?と、聞くと、昔、家の裏の林とかで練習してたんじゃない?と、うそ臭い回答でした。これは外してそうな仮説だなー・・・。

アメリカに旅行や出張でお越しになった方、レストランに行くと、テーブルの係の人がメインコースとか食べてるときによく「is everything OK?」みたいな感じでご機嫌うかがいに来ませんか?こういうときに「クール」なジャズメンがいうのは「copacetic.」 これは「問題ないよ、順調だよ、大丈夫だよ」そういう感じでしょうか。

他に、なぜか人をさして「cat」というそうです。それって、猫やん?と、思いますが、例えば、「あの人達(those people)」じゃなくて、「those cats」って言う。これも、なんで猫なんだろう、犬じゃないんだろう、鳥じゃだめなの?と、気になるところですが、あまりしつこく聞くと、もう教えてくれなくなるので寸止めが肝心です(笑)。

最後に、こうしたジャズメン用語を理解しないプレイヤーのこと。たとえば、「hey, let me see your ax.」とギターケースを持ってる人にいったときに、「え、え?斧?え?そんなもの持ってないよ?」こういう風に用語が通じない人。これを、「square」というそうです。これ、日本でもなんか融通が利かないとか、そういうのを四角四面の・・・とか言ったりしますから、なんとなくイメージがわきます(そういうときは、なんで三角じゃないの?と聞かない。自分にすわりがいいものはそのまま受け入れるのです♪)

日本のジャズメーン、の皆さん、これで今日からあなたもアメリカのジャズメーンの仲間入り!squareじゃないぜ!
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by suziefjp | 2009-01-25 08:51 | えいご | Comments(0)
まだ出張「前」の準備なのに、バタバタして結構がんばっていたブログがちょっと留守になってしまいました。くやしいなあ。こんなんじゃあ、出張中はどーすんだ!?

しかし、何事も無理はよくありません。続きませんもんね(言い訳)。なので細く長くやっていきたいと思います。無理はよくない!

無理はよくない、と、言う話で思い出すのは、最近ご相談の多い日本の研究機関や大学関係の海外への技術移転です。この背景として、日本の大企業より海外の企業のほうが対等なパートナーとして大学や研究機関をあつかってくれて、買い叩きもしない、というウワサも聞きます。助成金がガンガン削られている中で、かつての国公立大学も大学も独立行政法人としてお金を儲けなきゃいかんわけですが、企業側にとっては大学や研究機関に対しては「研究・教育が本分でしょ?お金儲けるより社会への貢献でしょ?」という認識が残っているのかもしれません。だから共同研究費も、「対価」、というよりは、「謝礼」というくらいの気持ちで金額を考えちゃうのかもしれんです。アメリカの大学だったら「おととい来やがれ!」という金額かもしれません。もしそうだったら、正当な「対価」という考え方に切り替えないと、どんどん日本の基礎研究成果が海外に出ちゃって、日本の技術が空洞化しちゃいますよ。危ないなあ。

おっと、今日の話は「無理はよくない」でした。日本の企業側の対応よりも大学、研究機関側の動きで心配なのは、技術移転なんてすぐに出来る話じゃないのに目標が高すぎる、というか、実行可能な目標になってないんじゃないかなー、というところです。実行(アクション)は、戦略に従って起こすわけですが、いくつか戦略に選択肢があるとき、何を軸にして戦略を選ぶか、というと、実行性(feasibility)と効果(impact)のニ軸です。難しく考える必要はなくて、この二軸で選べばほぼ間違いありません。やりやすいから、手がつけやすいから、という実行性だけで考えると、成功してもあまり効果、インパクトがない戦略に費用と時間をかけてしまうかもしれないし、これがうまくいったらすごいぞ!というインパクトだけで考えると、そりゃあうまくいけばすごいけど、それって年末ジャンボ宝くじ当てるくらいの確率の話でしょ、ということだと、せっかくのアクションが徒労に終わります。ですから、実行性と効果のニ軸でアクションは選ばなくてはなりません。

海外ライセンス経験があまりない、あるいは、まだまだライセンス部隊も小さい研究機関や大学が、海外で通常実施権許諾をめざす、というのは、私は実行性がないように思います。通常実施権とは、言い換えれば非独占ライセンス権の許諾です。特許の所有者、あるいはライセンス権を持つ人が不特定多数の人にライセンス許諾をすることです。この逆は独占ライセンスの許諾。独占ライセンスを許諾すると、明確に自己実施権を留保しておかないと、ライセンス許諾後は特許所有者でさえ、その特許技術は使用できなくなります。

そりゃあライセンシーの裾野が広がって、その分収入源が増えますから、通常実施権はステキです。でも、これからライセンス活動に着手していこう、という場合、最初は独占ライセンス許諾をすることで成功体験をする、資金を得る、という作戦もアリではないかと思います。

通常実施権は独占ライセンス許諾に比べると大変なことがたくさんあります。例えば:

・ ライセンシー以外の人が特許技術を無断で使っていれば、それを止める、あるいはライ センスを受けさせなくてはならない。でないと、ライセンスを受けるメリットがないから、誰もライセンスを受けなくなる(=みんなが無断で使う)。そのため、普段から無断使用がないか、市場に目を光らせておく必要がある。

・ ランニングロヤルティによるライセンス(技術を使った分だけ、ライセンシーが対価を支  払う。たとえば、当該特許技術を使った製品の売値の1%が特許使用料、など)の場合、各ライセンシーから送られるロヤルティ・レポートをチェックし、送金額をチェックするロヤルティ管理が必要。また、長期のライセンスになると、ロヤルティ監査の実施(正しくロヤルティ額が報告されているかの監査)を行う必要もある。

特に大変なのが最初の問題。無断実施に対して目を光らせて、見つけたら催告状で「即刻やめるか、ちゃんとライセンスを取ってください」と要求し、それでも改善されない場合は、訴訟も辞さない、そういうことです。これができないライセンサーから通常実施権許諾を受けましょう、という誠実な人は案外少ないかもしれないです、さみしいけど・・・。

海外、特にアメリカで技術移転をめざすときに、これが日本の大学や研究機関にできるか、というと、まだ疑問が残ります。訴訟はとんでもなく金がかかりますし、労力もかかります。しかも、まだ日本の大学にとって「訴訟を起こす」というのは精神的ハードルも高いのではないでしょうか。〔ご存知の方も多いと思いますが、アメリカの大学はガンガンやります。この間もカリフォルニアの大学が結構な数の企業を特許侵害で訴えてました。)

とすると、独占実施権許諾から始めてみる、というのは良い戦略ではないかと思います。独占実施権にすると、市場側〔ライセンシー側)には、「早い者勝ち」の意識が醸成され、ライセンスを取ることへの緊急性が生まれ、通常実施権の取得よりも魅力が上がります。また、無断使用があれば、独占ライセンシーが無断使用者に対して訴訟を起こせる、としておけば、特許所有者自身が市場に目を光らせなくても「こっちは金はらって使ってんのに、無断で使ってるヤツは許さん!」と、独占ライセンシーが頑張って権利主張してくれます。ライセンシーは一つだけだから、ロヤルティ管理もずっとラクチン。

実際、アメリカの大学でも企業への技術移転については独占ライセンスって多いんですよ。こういうのはあまり日本できっちり情報が共有されていないかもしれません。

こう考えると、少人数のライセンス部隊で海外での通常実施権許諾をめざすより、独占実施権許諾で実績をつくるほうが実行性も効果も高いかもしれません。無理はしない、というのは、ややもすると甘えていい、と誤解されるかもしれませんが、そうではなくて論理的に考えていくと、無理をしちゃうより、もっとステキな方法がみつかるかも!?ということなのだと思います。
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by suziefjp | 2009-01-24 05:24 | 知財経営 | Comments(0)

オバマ大統領誕生

今日はアメリカ在住でブログを書いている方、90%以上がこの話題じゃないですかね?(笑)もう今日はどこのニュース番組も総力戦でフルカバーです。朝起きたらすでにはじまってて、ホテルからオバマ夫妻が出てくるところから追っかけてました。アンカーが「この瞬間が、今日、ファースト・レディになるミシェル・オバマのドレスを見ることが出来る最初になります!」・・・・うーん、別にそこはあんまり気にならないかもしれないけど、私・・・。

で、会社に行きました。スタバに行きました。b0149998_12221455.jpgおっと、スタバのスリーブがいつもとちがいますぜ! なんと今日は星条旗カラーのスリーブですよ。スタバは大統領選挙の日も、選挙にいった人には今日のコーヒー1杯タダでプレゼントってのをやってましたからね。(選挙に行くと「I voted(私は投票しました)」というステッカーがもらえますから、それでコーヒーをもらうんです。)この力の入れよう、すごいぞ、スタバ。

このスリーブ、星条旗カラーなだけではなく、実はリンカーンの大統領就任演説からの抜粋が印刷されている!(画像で読めるかな?)
b0149998_12244635.jpg

ひょっとして将来価値が出ないかな、と思って取っておこうかと思いましたが、夕方にはすっかり忘れて捨ててしまった(泣)。最近健忘症です。

オバマ大統領は何かとリンカーンとリンクされますね。彼はイリノイ州の上院議員から大統領になったんですが、リンカーンは彼が弁護士として活動していた事務所がイリノイ州にあり、イリノイ州で31年すごし、家とお墓もイリノイ州にあります。(出身はケンタッキーだけど。)アメリカの各州は、州ごとにニックネームがついてます。例えばニューヨークは確かLiberty State(自由の州)。自動車のナンバープレートを見るとこういうのが分かります。イリノイはまさに「Lincoln State」なんですよ。車のナンバープレートも、オーソドックスなヤツは赤っぽい色のリンカーンの肖像がついてます。そういうことからも、リンカーンは今回、何かと引き合いに出されます。(実は本当にイリノイ州出身の大統領って、ロナルド・レーガンなんですけど・・・(笑))

そういうことで(?)オバマの地元、シカゴでもお祭りです。うちの会社の近所のピザ屋は本日ランチ・スペシャルをやってました。ランチがなんと、$4.40!・・・・これ、分かっていただけますか?オバマが44代大統領だから、$4.40なのです。うー、ちょっと遠いか・・・。

シカゴ市民はとにかく、今回の大統領はすべてシカゴに何か関係しててほしいんです。すでに日本でもニュースをご覧になった方、ミシェル・オバマが就任式に着ていた黄色のドレス、ご覧になりました?あれだけでニュースですよ。「Michell Obama has broken the heart of Chicago designers; her dress was made by Manhattan-based designer.」(ミシェル・オバマのドレスにシカゴ在住のデザイナー達はショック!彼女のドレスをデザインしたのはマンハッタン在住のデザイナー。)・・・・いいよ、もう。似合ってれば別にいいじゃん、マンハッタン在住でも!大体、ファッションの先端はシカゴじゃなくてNYなんだから、いいじゃんっ!

ま、いずれにしても新たな大統領をこれほど熱狂的に迎えるというのもいいもんです。うちの会社でも就任式の間は会社のラウンジのテレビとかトレーディングルームのテレビが解放されてました。みんな見入ってましたよ。アドミニストレーションが、フルーツとかチップスまで準備してくれてました。大丈夫かな、不況なのに。演説自体は皆さんそれぞれ思うところがあったり、感動したり、というのがあるので、そういう自然の感情でお楽しみいただくほうがいいですね。

就任式では今回はかつての大統領が3人参加しました。カーター、パパ・ブッシュ、そしてクリントン。オバマ登場の前にこうした人達が順番に登場しますが、私はこういうのは好きなんですよ♪世代的にウルトラマン、仮面ライダー世代ですから、こういうのは、新しいライダーを1号、2号、V3とかが助けに来る、とか、新しいウルトラマンをウルトラマン、セブン、エース、はてはゾフィーとかが助けに来るオールスターな感じでドキドキします。(歴史的就任式にこの感想はいいのか!?)

しかしオバマ大統領、これからが正念場です。問題山積だけど、がんばってドルを強くしてください!でないと日本に一時帰国したときにやりくりが大変だから、私・・・。いずれにしても、政治に希望が持てるのはいいことです!日本は・・・それこそノーコメントということで・・・。
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by suziefjp | 2009-01-21 12:55 | アメリカ生活 | Comments(0)
もはやこのニュースは色んなところで流れてますね。2008年度にあらたに登録された米国特許件数ですが、今年「も」1位はIBM。しかも今年は天城越え、おっと、4,000件越えですぜ。(すいません、週末に知り合いの方が貸してくれた紅白歌合戦のDVDを見たものでつい石川さゆりが・・・。)

いやー、こりゃすごいもんですな。そして一部記事にはHPがIBMの路線とは一線を画し、取得件数が2007年にくらべて減少したのは「量より質」にシフトしたからだ、と。

以前、このブログでも特許棚卸についてお話しました。量か質か。結論から言えば、やっぱり質なんだと思いますよ。自社使用、防御、ライセンス、そうした用途が本当にないものはやっぱり無駄特許として放棄するなりしちゃったほうがいいと思います。

さて、おもしろいのはここから。じゃあ、この件数だけじゃなくて、「質」でみたらどうなるのよ!?・・・ふっふっふっ、今は特許の質を一発でスコアリングしてくれる便利なツールがあるので、こういう分析も速攻できちゃうんですな。こういうスコアリング・ツールは米国でもまだチョイスは1-2種類しかないと思います。宣伝になってはいけないので、ここでは私がどういうツールを使ってるか、の言及は避けますが、これはおもしろいんですよ、へっへっへっ。(余談ですが、IBMのこの登録件数1位のニュースの中で、コロンビア大学、東京大学がやっている特許の質の指数化プロジェクトにIBMも参加する、ってなニュースがありました。これはちょと不思議・・・すでにスコアリングできるツールは少なくともアメリカにあって、結構使われてるのに、何を今更つくるんだろー??なんか作業が無駄な気がしてもったいないです。スコアリングとは違う定性指数ですかね?でも、定性指数って、ほとんど分析には使えないんだけど・・・。)

で、実際、2008年度取得件数トップ3位まではIBM、サムスン、キヤノン、だったわけですが、これを件数ではなくて、取得した特許の平均点で並べ替えてみると。。。

1位:サムスン
2位:キヤノン
3位:IBM

となります。では、ここに「量より質だぜ、質!」と、言っているHPを足してみましょうか。すると、

1位:HP
2位:サムスン
3位:キヤノン
4位:IBM

おおおおお、HP、有言実行!!すばらしい。

じゃあ、IBMってイケてないの?という話になりますが、この会社の恐ろしいところは、もんのすごい精度で棚卸をやっているところです。これも分析するとすぐ分かります。米国の特許制度では、4年目、8年目、12年目のタイミングで維持費を支払うわけですが、IBMの場合、この更新タイミングで特許を見直してかなりを放棄しています。しかも、そうした棚卸後のポートフォリオは確実に特許の質のスコアリングがあがるんですよ。IBMがそういうスコアリングツールを持っている、持っていないは別として、これを90年代からこの精度でやってのけているのがIBMです。これ、凄くないですか!?

ある意味、お金に余裕があればIBMの戦略は一番怖いです。地引網的にまずはざーっと権利化しちゃう。その後、いいのだけ残して、他は放棄して公知にしちゃえば、誰も権利主張できない。しかも、無駄な維持費は使わない。こういうのを見てると、知財という意味では、やっぱりIBMってすごい会社だなー、と、思います。

件数1位!というのより、この棚卸精度1位のほうがよっぽど怖いよ。。。と実感です。
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by suziefjp | 2009-01-20 09:43 | 知的財産権 | Comments(1)
激寒シカゴで怖いものは何か。実は水道管の破裂です。あまりの寒さに水道管が凍るんですよ。で、凍っちゃってるのを知らずに蛇口をひねると、水が凍ってるところを無理矢理通ろうとするためか、氷がとける前に水道管が破裂します。なので、アパートではものすごく寒くなることが天気予報なんかで分かっていると、管理事務所が「出かけるときでも絶対暖房を切るな。台所や洗面のしたの戸棚は、水道管に直接暖かい空気があたるよう開けたままにしておけ」などなどの注意書を各戸に配ったりします。

・・・でもね、いるんですよ。どんなに管理事務所が頑張ってもやっちゃうヤツが。おとといから、我が家の壁にもミョーなシミが・・・。そして極めつけは夜中に「ぽたぽたぽたぽたぽた・・・」と、なんだか水漏れの音。眠れへん、ちゅうねんっ!!!チェックに来た管理事務所によると、案の定、28階の住人がやらかしたらしい(うちは14階)。昨日は管理事務所がやらかした部屋の下にある部屋を順番にまわって損害チェック。b0149998_352220.jpgうちの部屋にも夜7時ごろ、「乾かすからこれをつけておいて。夜、寝る時は消してもいいから。」と、こんなでっかいファンをおいていかれました。細かいことをいうと、このファン、電気代はうちのコンセントですかい・・・?しかもうるさい。さすが業務用。当然寝るときは消しましたが、夜になるとまた「ぽたぽたぽたぽたぽた・・・」と始まり、完全に安眠妨害。ウチの人が「これは眠れない!」とマットレスとか全部リビングに運んで昨日はベッドルームの戸をしめてリビングでキャンプ状態で寝ました。しかしこれ、通常、管理事務所が各戸のダメージをチェック、修理し、それを28階のやらかした人が弁償することになります。この不景気の折、この弁償は相当な値段になるだろうな。14階まで離れてるうちでこれだから、真下の27階とか26階はもっとすごいことになってるでしょうし、それがずーーっと、下まで来てますからね。考えただけで怖い金額です。

さて!こんなことになるとおいしいものでも食べて元気を出すしかありません。で、健康にいいとはとても言えないかもしれないけど、「ライスクリスピー・トリート」。b0149998_3572322.jpgこれはアメリカでは超簡単にできるおやつです。シリアルのライス・クリスピーって、日本にもありましたっけ?パフパフのお米に甘い味付けをしたやつです。これとマシュマロで簡単にできちゃいます。マシュマロをお鍋にいれて溶かし(焦げないように気をつけてくださいね)、そこにライスクリスピーをざーっと投入。この時点で火からはずして、ライス・クリスピーとマシュマロをよ~くミックスします。で、四角い型にいれる。常温で放置。以上(笑)。あ、型にはバターとか塗っておいてください。固まったら、ナイフで適当なブロックに切り出して食う!これがうまいんですよ。型にいれたときの厚さは好みがあるかもしれませんが、ウチは大体3センチ~4センチくらいの厚さにしてます。

ライス・クリスピーはプレーン味とチョコ味があるので、チョコ味を使うと、チョコクリスピー・トリートになります。ウチの人はこちらが好き。しかしチョコクリスピーで作ると、マシュマロと混ぜてるときに、すごい「びにょ~ん」と糸を引くんですが、どう見ても、小粒納豆にしか見えない!!しまった、この写真とっておけば良かった。私はいじめっ子なので、つい、「あのさ~、どう見ても納豆だよね、これ。」といってしまいます。ウチの人は殆どの日本のものを食べますが、納豆だけはダメなんですよ、へっへっへっ。彼は「・・・でも、こっちのほうがずっとおいしいよ・・・」といいながら、もくもくと混ぜてましたが。

これ、簡単にできるし、忙しいご家庭でもちょっとした手作りおやつ感覚を楽しめます。アメリカではすごい有名なおやつで、スターバックスなんかでもライスクリスピー・トリートって、売ってます。スーパーなんかでも「最後に見つけて、ちょっと買っちゃう」という位置づけか、レジ近くのバスケットなんかにたくさん売ってます。日本でもライスクリスピーが入手できるならぜひお試しください!結構やみつきですよ。
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by suziefjp | 2009-01-19 04:09 | アメリカ生活 | Comments(0)
この間、シカゴはさぶい、と書きました。しかし今日の気温にくらべればへたれです、へたれ。今日はなーんと、体感気温が摂氏で-39度ですぜ!!ここまでくると、寒いより、痛い・・・。テレビでも「5分外にいると凍傷になる可能性があります」・・・5分、って、近所のコンビニにも行かれへん、ちゅうねん。それでもテレビでお医者さんとかのコメント「凍傷はひどくなると切断になりますからくれぐれも気をつけてください」とか見ると、コンビニもガマンしよう、と、思えます。シカゴ・リバーもここまでくると思いっきり凍ってます。

ご存知の方も多いと思いますが、現在、米国では特許法改革の一つで侵害における損害賠償算定の見直しが検討されています。以前紹介させていただいたIP LAW360に、損害賠償算定の見直し法案が通過したらどうなるの?という記事が掲載されていました。

法案は、特許侵害裁判における損害賠償額を下げる方向に働きます。こうした法案が出てきた背景はやはりパテント・トロールによる荒稼ぎがあります。この方向に歯止めをかけるべく、こうした法案がでてきたんですね。

米国の特許侵害裁判で損害賠償が巨額になってしまう原因はいくつかありますが、一つは懲罰的賠償です。侵害行為が悪質(例:これしちゃったら侵害になるなー、と知りつつやっちゃったような「故意侵害」)な場合、損害賠償額が最大3倍化されます。懲罰的賠償のほかにも巨額の損害賠償金の原因としてEntire Market Valueという考え方があります。例えば、今の携帯電話なんて、1台の中にものすごーーーーくたくさんの技術が使用されていますよね。だから、ある特許技術が携帯電話1台に占める割合は5%くらいかもしれません。でも、「いやいや、この技術があるからこそ、お客さんはこの携帯を買うんだよ!」なんてことになったら、この特許侵害の損害賠償算定ベースとして、この携帯電話全体の売上げが使用されます。これがEntire Market Valueです。

今回の法案ではこのEntire Market Valueが見直されていて、やっぱり全体はだめだよ、ちゃんと割り振ろうよ、という考え方です。今日出ていた記事によると、この「割り振り」が行われるようになると、米国特許全体の経済的価値が340億ドルから850億ドル程度下がるらしいです。なんかもうあまりにも巨額すぎてよくわかんない金額ですが・・・。ともあれ、特許そのものがもつ潜在価値が下がりますから、企業が無体資産として特許を保有していると、企業全体の時価総額もこれで下がることになるんですね。この時価総額下がり幅が、380億ドルから2250億ドルと試算されてます。で、生み出される技術の価値がさがるわけだから、投資対効果を考えればR&D費もこれにあわせて削減されるだろう、ということでそのR&D費削減幅が年間340億ドルから660億ドルだそうな。

で、こうなってくると、企業(製造業)も人員削減をするでしょう、ということで、その人員削減幅予測が29万人。・・・計算根拠が正しいかどうか、は、抜きにして、論理のつながりとしては、風が吹けば桶屋が・・・に似てます。まあ、でも世の中って連鎖だから、これは案外真実かもしれません。

記事の結論は、ただでさえ不況からの脱出が最優先の今、こうした法案の通過は望ましくない、アメリカはわが国の特許の価値を自ら下げて、技術革新へのやる気を削いだり、R&D費を削ってはならーーん、というトーンです。まあ、確かにそうかもな、という気もする一方、昔からトロールにはひどい目にあわされたので、だからといって・・・という気もします。

これは突き詰めていくと、以前、自律と自立のお話をしましたが、このお話も「自律」の欠如が原因で、本来正しく行使されていれば全員が享受できたものが制限されようしている、ということですね。みんなが節度をもって権利行使していれば(=自律)、こんな法案が出ることもなかったのでしょう。みんなが自律できなくなると、それを法律などのなんらかの強制力をもって制限するしかなくなります。それが多くの場合、正しく使用されていれば問題なかった自由を制限していくことになります。そして、世の中、どんどん住みにくくなっていくんですね。制限するためのコストもかかるし、それが税金とか何らかの形で結局国民に跳ね返って、やっぱり暮らしづらくなる。

そう思うと、「これをするのは俺の自由だ!」というのは、ほんとに誰にも迷惑がかかってないか、よーく考えてみる必要があるよね、と、思います。パテント・トロールもしかり。現代人は、どんどん自分達で居心地の悪い世の中をつくっちゃうようにできてるんでしょうか。それは悲しいからみんなで仲良くやっていきたいもんです。
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by suziefjp | 2009-01-17 12:27 | 知的財産権 | Comments(0)
さぶい。シカゴはひたすらさぶいです。明日はもっとさぶいらしい。・・・休んじゃおうかな。

とはいえ、ここのところマジメに毎日更新していたのに、仕事がバタバタして昨日は飛んでしまった(泣)。ああああ、がんばってたのにぃぃ!と、いう状態で寒いからといって休めません(あたりまえか)。そして、ブログもしたいよ~、何かいいネタ。。。と思っていたら、頑張る良い子には、神様がちゃんと良いタイミングでネタをくれます。ありがとう、神様!

以前、特許の公開ライブオークションについて紹介しましたが、これを主催しているのは、オーシャン・トモという会社で、今年も3回行う予定だそうです。で、今年の一発目が3月にサンフランシスコで開催されるそうですが、その「オークション・カタログ」が本日発行されてます。

どれどれ。。。81件のロットが売りに出てますよ。技術的には、やはり「流行」のせいか、情報管理やデータシステム、SNS、インターネット、モバイル、そのあたりが多いですね。私が結構驚いたのは、この景気でも、ちゃんとスポンサーがついていること。こういうイベントのスポンサーって、景気が悪くなると一番にコスト削減の対象になる系のコストですが、結構な数のスポンサーがついてます。知財業界の人ならご存知のLicensing Executive Societyなんかもスポンサーなんですね。ほー。

おっ、発見。JustSystems Corporationって、日本のジャストシステム?ロット6って、ジャストシステムが出品してます。へーへーへー!!

・・・・はい、ノリ的には通販カタログに見入るOLです。(通販大好き。アメリカに引越してとてもとても悲しいことの一つが、ベルメゾンの通販ができないこと。)でも、こういうの、見てるとおもしろいですよ。どういう人がどういう技術を、いくらくらいの値段で売れたらいいな~~、と思って出品しているのか。こういうの見てるだけでも、米国の知財流通の今が見えてくるような気がします。
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by suziefjp | 2009-01-15 09:00 | 知的財産権 | Comments(0)

中国知的財産権日記?

タイトル変わってるやん・・・・と、いうのも、今日は知り合いの中国の知財弁護士の方が事務所に来てくれたので、「中国の知財評価や流通の状況について」教えてもらいました。なので今日は中国知的財産権日記なのです。

昨年11月20日には、なんと中国でも公開知財オークションが開催されたそうです。まさにオークショニアがいて、みんなの入札で値段があがっていって、最高額が落札する、というアレですよ。上海政府の主催で、複数日にわたるイベントのキモとして最終日に開催されたそうです。出品された特許はすべて中国特許で、8件、そのうちしっかり7件が落札されたそうです。多少の仕込みもあるかもしれませんが(笑)、オークションという市場を根付かせたいという政府の意気込みが感じられます。

買い手や売り手はどういう人ですか?と聞いてみると、売り手はプロの発明家(だってホントに「professional inventors」っておっしゃってたんですよ)、知財を売って資金調達しようとする中小企業で、買い手はその特許を事業で使って製品やサービスを提供しようとする事業会社だそうです。米国では知財を買うときに、事業化も重要な理由ですが、防御目的に買う、というのも非常に重要です。中国ではまだまだ防御のために知財を買う、という考え方はあまりないそうです。事業で使うために買う、これが基本だそうな。まだまだ事業をするために特許の数を増やそう!というフェーズなんでしょうね。

驚いたのはその落札価格。7件の特許の総落札額はなんと3,386万元!今のレート(1元=13円)とすると、これは4億4千万円!1件当たりの落札額が6千万円を超えることになります。こりゃ大したもんだ。事業でこの特許技術を使用して投資回収するには、何を社内R&Dでやって、何は社外から買って来て、というところの線引きとか予算編成がちゃんとできていないとだめですが、それがちゃんとできている・・・ということを期待していいのかな。これは立派。中国といえば、商標権や著作権の問題で話題になりがちですが、こういうのは明るいニュースですね。特許の流通市場がきっちり立ち上がるのも、日本より中国の方が案外早いかもしれません。ちなみにこのオークション、「政府が結果とか発表しているよー」と、おっしゃっていたので調べてみたら、確かに上海の知財局かな?のウェブサイトにありました:
http://www.sipo.gov.cn/sipo_English/news/localip/200812/t20081209_429507.htm

この友人の事務所は北京と上海にありますが、最近は中国での特許取得が世界的に活発化していて、出願代理のお客様の割合は、中国企業が5割、残り5割が中国以外のお客様だそうで、多い国はドコ?と、聞いたら、最初に返ってきた答えが「ヨーロッパ」。これはちょっと意外な感じがしました。そして、アメリカや日本なんだそうです。ヨーロッパの中でもドイツが多いらしく、これは、今は世界的に大変なことになっている自動車産業が未開拓の巨大市場、中国での技術特許化を進めているのかなあ、と思いました。友人は、「中国の家庭がそれぞれ1台車を持つなんて恐ろしいことは考えたくない、車が多すぎる!」と、言っていましたが・・・。

我々米国の知財に関わるサービスを提供する業者にとっての中国でのビジネス機会はどうかなー?と、聞くと、米国特許をもつ中国企業がまだまだ少ないこと、米国特許を買う重要性がまだまだ啓蒙される必要があること、などから、まだ数年はあまりないかもね、と、ワリと一刀両断なコメントでした(泣)。ううむ、世の中、うまくいかないものね・・・。
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by suziefjp | 2009-01-13 09:27 | 知的財産権 | Comments(0)

シンフォニーで幸せ♪

b0149998_7145415.jpgシカゴは金、土で約8インチほどつもりました。もう長靴が手放せません。歩道から横断歩道への境目などが一番の危険地帯。あんまし深くないかなー、と思いながら足を入れると、案外、「ずぼっ!」と、いってしまいます。この冬は例年より寒くなるのが早くて、すでに30インチほど雪が降っているそうです。うーん、毎日のことなので、累積値を考えたことはないですが、確かにそれくらい降ってるかも。ほんとに通勤はずっと長靴ですよ、私。で、会社で普通の靴に履き替えてます。

そんなシカゴですが、私にとってシカゴの大好きなエンタテイメントの一つがシカゴ・シンフォニーです。2009-2010年のシーズンは結構チケットを買ってしまいました♪ こういうのはほんとにアメリカがお得です。昔、音楽の時間に先生がレコードをかけてクラシック鑑賞みたいな時間がありましたけど、あのころは、なんっとも思わなかったんです、ほんとに。でも、初めてナマで聞いてみて結構感動しました。日本だとクラシックでもオペラでも、とにかく、高い!私はシカゴではメイン・フロアで大体聞いてますが、それでも60ドルくらい。こりゃあ長靴はいてでも行っちゃいます!

b0149998_7224553.jpg今回は金、土の連続で、長靴で行ってまいりました・・・・。と、いうのも前からものすごーーーく聞いてみたかった若手指揮者、グスターボ・デュダメルだったのです!彼はなんと28歳!一度テレビで彼が指揮しているのを少し見たんですけど、「ひょっとしてこの人すごいんじゃないか?」と思い、それを確かめるべく行ってみました。それに金曜日はヨーヨー・マだったし。これで64ドルとかですよ。日本じゃありえません。

・・・・もうぶっ飛びです。マジで天才っているんだなー、と思いました。最初は弦だけの曲でしたが、これは指揮者は暗譜していて楽譜をみないで振っていましたが、超美しい!!まったく乱れない弦!きゃああああ、美しいっ!!ヨーヨー・マも、ヨーヨー・マここにあり、という演奏でした。最後はブラームスの交響曲2番ですが、なんと、これも指揮者は全部暗譜している!!そして楽譜を見ずに振っていましたが、とんでもなく素晴らしい!!ホール全体が立ち上がるスタンディング・オベーション!!これは感動モノです。たまたま、近くの席にいらした方が、ショルティのころから20年、ずっとシカゴシンフォニーを聴いている方で、「何度も「こんなシンフォニーに来るのやめてやる!」と、思ったけれど、今日は20年ぶりに感動しました、シカゴ、やっぱりやればできるんですよ、シカゴシンフォニーの復活を乾杯しましょう!」ということで、演奏の後、バーで盛り上がってしまいました(笑)。

私もなんどかシカゴシンフォニーを聴いてますが、ごめんなさい、失礼ですがもう同じオケとは思えない!すごい緊張感があって、ほんとに全然乱れてなくてとんでもない美しさでした。やっぱり指揮者の影響って大きいなあ、と、改めて思いました。とはいえ、実力がないといい音は出せないですから、指揮者が演奏者の力を引き出してくれるんだなあ、と思いました。やっぱりシカゴシンフォニー、世界で第5位のシンフォニーです。すごい!

この指揮者、ベネズエラのユース・オーケストラの音楽監督をしてるんですが、ベネズエラは音楽で社会変革をしていようとしています。強盗犯のお子さんなどもこのユース・オーケストラに参加して更生を目指したり、というのがあるわけですが、そこでずっと振っている彼、音楽に対する思い入れもひとしおなのだと思います。もう、鼻血ブー、というくらい良かったです。調べてみると、このベネズエラのユース・オーケストラ、12月は日本で、指揮者はもちろんデュダメルで公演していたようですね。どなかた行かれた方とかいらっしゃいます?

それにしても、アメリカで生活していると、こういうナマで芸術に触れる機会が多いのは本当にステキなことです。シンフォニーもすばらしいし、シカゴだと、大きな美術館もあります。もともと音楽や美術は好きですが、本当に感動したのは両方とも、ナマを見てから。こういうのが身近にある子供達は本当にラッキーだと思います。
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by suziefjp | 2009-01-12 07:39 | アメリカ生活 | Comments(0)
シカゴは今日「も」雪です。大体11月くらいから4月くらいまではずっと冬。1年の半分くらいが冬なんですね。天気予報では来週の火曜日の最高気温は華氏5度とか。摂氏でいうと、マイナス15度ですね。これが最高気温なんだもんなあ・・・。

訴訟エキスパートは、以前、「ほにゃららエキスパート」で少し紹介しましたが、日本ではあまり(ほとんど?)メジャーではありません。でも、アメリカの訴訟ではとても重要!ハクがある人をつれてきて、「この人がこの技術は侵害されている、というなら侵害されているんだろう」とか、「この人が、この技術侵害の損害賠償はいくらであるべきだ、というならそうなんだろう」と、陪審や判事に思ってもらうことが大切です。

通常、エキスパートは、案件を代理してくれている弁護士さんが「こういう人をエキスパートにしようと思うんだけど、どう?」と、依頼人に聞いてくることが多いと思います。技術エキスパートの場合は、その技術の大家として知られている大学の先生だったり、ある標準化技術(DVDとかのような技術標準ですね)だと、結構そういう標準化技術のエキスパート、なんかがいたりします。それとか、昔、あるメーカーでその技術を中心にやっていた技術者の方で今は技術コンサルティングをしておられる方とか。

ダメージ・エキスパート(「この技術が侵害されているとしたら、適切な損害賠償はいくらでしょう」と、証言する人です)は、会計士だったり、エコノミストだったり、あと、我々のような技術価値バリュエーション専門のコンサルタントだったり、というところです。

で!さすが訴訟ビジネスが発達しているアメリカでは、こういうエキスパートのディレクトリみたいなウェブサイトもあるんですね。少し紹介すると:

Expert Law - Expert Witness Directory
ほほー。私はエキスパートとして見つけていただく方の立場なので、こういうのをじっくり見ることはないですが、なーるほど。色々なエキスパートにカテゴライズされてます。ためしに、「Civil Litigation Experts」ってのをクリックしてみると、今度はトピック別のリストがずらり。お、あります、あります、「Intellectual Property/Patents」というカテゴリーが。クリックするとさらに細分化されて、ブランド、著作権、営業秘密、特許、という知財そのものの分類に加えて、「ライセンス」とか「デューデリジェンス」みたいなカテゴリー、あと、技術分野(「ソフトウェア」「マルチメディア」)なんかもあります。おもしろいので、さらに、「Patents」をクリックしてみると、おー、来た。色々な技術エキスパートやダメージエキスパートのウェブサイトへのリンクがずらーり。お、個人のPh.D.の方とかもいますね。

Expert Witness.com
うわー、すごいなー。これなんて、もう名前からモロですね。やっぱりおもしろいので、「Patent/Intellectual Property」をクリックしてみる。すると、ここはすぐエキスパート・リストですね。しかも、見事に「patent expert」ってのが並んでます。・・・パテント・エキスパートって、正確な定義はナンなんだろう?多分、特許の有効・無効とかが争われたときにこの技術および特許をよく知っている人がエキスパートとして出てきて「これはこうこうだから有効です」とか言うんだろうなあ。ちなみに、このサイトで「Damage」で探すと、ダメージ・エキスパートも61人いますね。これはこのサイト運営側がエキスパートのクオリティをスクリーニングしてくれるんですかね??

IMS Expert Services
これはかなり力が入ってる感じのサイトですよ。ちょっとイラストが、ユナイテッド航空の看板とかウェブのイラストみたいなのが気になりますけど・・・・。ここは、勝手に探してね~~、というより、ここに依頼すると、案件にピッタリ、かつ、いいクオリティのエキスパートを探してきますよ!というサービスみたいです。そういうのがちゃんとビジネスとして成立してるってのもすごい。しかも1992年からやってるそうな。こういう年度を見ていると、このころって、かなり知財訴訟がガンガン出てた頃ですね。懐かしいなあ・・・。

と、まあ、いろいろ興味本位に見てきましたが、じゃあ、エキスパート選びのポイントはナンなんだ、というと、やっぱりバックグラウンドが立派(陪審が「へー!すごい人なんだ!」と思ってくれるような人)というのも大事ですが、「陪審ウケしそうか」ってのも、ほんっとに重要です。証言が分かり易いか、証言することになれていて、証言台とかデポジションで緊張してヘロヘロになっちゃわないか、見た感じ、「へー、誠実そうないい人じゃない?」と、思われそうか。英語でいうと、likableか、ってところでしょうか。学者さんとかエコノミストが失敗するのは大体このケースですね。言ってることが一般人向けに調整されてなくて何いってんだかわかんない。これが陪審に受けるはずがない。ですから、皆さんが依頼人の立場で、弁護士さんが「こういう人をエキスパートにしようと思うんだけど」というときは、過去、その人がどれくらいエキスパートを務めた経験があるのか、その勝率は?なんかはぜひチェックしていただきたい。やっぱり場数を踏んでいて、勝率の高い人がいいですよ。

加えて、基本中の基本として、過去Daubertされた人、というのは問題外です。Daubertというのは、過去の判例で法廷におけるエキスパート証人の証言を採用するか否か、について出た判決です。英語版ウィキペディアにはしっかりありますね(http://en.wikipedia.org/wiki/Daubert_standard)。法律用語で、この判決で出来た基準にもとづいて証言が排除されたエキスパートを「Daubertized」といいます。「ダウバートされた」と、もう判決が動詞として使われているんですね。で、エキスパート業にとっては、Daubertされるって、ヤバイんですよ。おまんまの食い上げ。Daubertされた人をもちろん使ってもいいですけど、相手方からみればこれほど攻撃し易いエキスパートはいない、ってな感じですか。かつて、アメリカでぶいぶいやってたエキスパートがDaubertされちゃって、こりゃもうアメリカではいかん!ということで、ヨーロッパに居を移してエキスパートをしている方もいらっしゃいます。

まあ、これは弁護士のほうでもチェックしてくれると思いますけどねー。でも、エキスパートって数は多いですけど、「いい人」となると限られてくるかもしれません。訴訟をご担当の皆さんは、弁護士事務所や弁護士さん個人名のリストなんかは結構お持ちかもしれませんが、案外、エキスパートはカバーされていないのではないかと思います。一度使ってみて、「良かったな!」と思ったエキスパートは覚えておくほうがいいですよ。新しい案件で新しい弁護士事務所を使ってみたときでも、「君達自身、エキスパートのお勧めはあると思うけど、ここも以前使ったときに良かったから、候補にいれて検討してみて!」と、クライアントが積極的に言ってみるのも私はいいと思います。

日本企業の場合、特にダメージ・エキスパートは手持ちをいくつか確保しておく方がいいでしょう。というのが、日本企業が関わる訴訟の損害賠償算定って、すっごい大変なんですよ。まず、資料が日本語のものが多い、経理システムがアメリカとかなり異なって、とんでもなくアメリカ人には理解が難しい、、、など、問題山積なんです。単純な例をあげれば、日本人だったら、例えばビジネスで2008年度、と、言えば、2008年4月から2009年3月まで、と思うケースが多いと思いますが、アメリカ人の大多数は2008年1月から12月まで、と、理解します。こういうちょっとしたことでズレるんですよ。

でも、一度やってくれたダメージ・エキスパート(そこが良かった、という前提で・・・)を使えば、またゼロから「うちの会社の経理システムはね・・・」と、教えなくてもある程度分かってくれると思います。実はこれ、ものすごい訴訟コスト削減につながるんですよ。あと、書類が日本語だと、やっぱり日本語ができる人がいてくれると助かります。量が膨大ですから、全部翻訳なんてしているとそれだけでとんでもないコストになりますし、時間もかかります。日本語の分かる人が書類を見て、これはいる、いらない、これは重要だから公式翻訳を手配しよう、など決めてくれるとかなり助かります。私なんかもそういうのはよくやりますが、他にも友人でアメリカ西海岸で訴訟のダメージエキスパートをしている日本人もいますし、探せば結構いると思いますよ。日本人だから、っていう理由で選ぶのはお勧めしませんが、アメリカ人のみのチームと、日本人が入っているチームでクオリティが同じ程度なら、日本人がいるチームのほうが何かと便利かもしれません。〔クオリティがアメリカ人のみのチームがよければ、迷わずそっちを選んでください!最優先はお仕事のクオリティですよ、何があっても。)

こういうの、あらためて見てみると、アメリカでは本当に訴訟が一つの産業なのねぇ・・・と思います。
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by suziefjp | 2009-01-10 05:57 | 知的財産権 | Comments(0)

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


by suziefjp