米国知的財産権日記

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はー、9月は頑張ろうと思ったのに、また結構散発ブログになってしまった。。。でも、とりあえず、続けることに意義がある!参加することに意義がある!なので、書きます。

で、間に怒りの翻訳事件が入っちゃいましたが、デポの続きです。今日は中身ですね。よくアメリカの映画で法廷の様子が出たりしますけど、実はデポジションってあまりないのかな。この間、テレビのアカデミー賞、エミー賞の発表がありましたが、あれで主演女優賞をグレン・クローズが受賞したのは「Damages」という弁護士サスペンスです。日本でもNHKでやってたみたいですね。このドラマでは、弁護士事務所の会議室でデポジションをする様子がちょっぴり出てきます。〔証人が怒って部屋を出て行っちゃうので、それほど長くないシーンですけど。。。)これを見ると「へー、デポってこんなんなんだ」というのがお分かりいただけるかもしれません。速記者が速記しつつ、ビデオが回っている、というのが見て取れます。デポジションの最初に、相手方弁護士が「今日はこのデポのために会議室を提供してくださったXX事務所に感謝します。」というところなんかも、細かく調べて脚本書いてますねー。さすが訴訟ドラマが多いアメリカです。

では実際のデポにあたって、証人の方が注意することをつれづれなるままに書いてみます:

(通訳がつく、という前提で)弁護士が英語で質問しているときに反応しない
たまにね、いるんですよ、意地悪弁護士が。すごい簡単な質問を聞いて、証人が思わず「イエス」とか通訳を待たずに答えちゃうと、「おー、XXさんは英語ができますね!通訳はいりませんね!」とかいうやつ。この後も、大体、通訳つけられるんですけどね、こういう「部分」を編集して陪審に見せたがるわけです。すると、ぜんっぜん本題に関係ないのに「この人って、英語できるのにできないって振りするんだよー、ずるい人なんだよー、こういう人のこと信用できないよねー」と主張するためだけに、陪審に見せたりする。なので、英語に反応してはいけません。あえて、心を無にして、英語は聞かないくらいで臨むのがいいかもしれませんね。

自分の弁護士の発言をよく聞く
英語は聞くな!と、言っておきながら、なんですが、自分の弁護士が相手の質問に対して反対する、というか、「それって聞いちゃいけないんじゃないの?」というようなことを言うときがあります。これ、2種類あって、弁護士が「I instruct my witness not to answer.」というときは、弁護士依頼人間特権に触れる話の場合が多いです。このあと、相手方弁護士が「Do you follow your lawyer's instruction?」と聞きます。普通は「はい、指示に従います」って言うと思います。だから、答えないことになりますね。こういうやりとりも通訳してくれますから、とにかく、通訳さんの話をまってから話す!これがポイントです。それとは別に、「objection」したあと、自分の弁護士が、自分に向かって「you may answer」という指示をすることもあります。これは答えてもOKということです。

聞かれたことにだけ答える
これは情報を自発的に提供しない、ということです。相手に聞かれたことにだけ答えます。はい、いいえ、で、答えられる質問なら、はい、いいえ、で答える、そうじゃないなら、答えに必要な範囲でこたえる。「ところで、、、」とか情報を積極的に開示する必要はまったくありませんし、そうしたことをすると、自分の弁護士の額に青筋がたつかもしれません。そういう情報を引き出すのが相手弁護士の責任だし、腕の見せ所だから、別に助けてあげる必要はないかな、と思います。

疲れたら「休憩したい」と素直に言う
日本人の方は結構遠慮しちゃうかもしれませんが、「トイレ行きたい」とか、「ちょっとタバコ吸いたい。。。」とか、「疲れたので5分休ませて」とかは、言ってもいいですよ。あまり頻繁だと「非協力的」とか言われますけど、常識の範囲では全く大丈夫です。意識朦朧としながら〔おなかゴロゴロいいながら、とか。。。)続けて、ほんとはそうじゃないことを言っちゃう方がよっぽどダメージが大きいので、ここは怖れずに言いましょう!

大きくは、ほんと、この2つなんですよね。でも!!日本人が通訳を通して証言を取られる場合、2日間、というパターンが多いんですね。通常、英語だと1日だけど、通訳が入って2倍かかるから、2日間。これ、2日間、会議室にカンヅメで朝から晩まで質問攻めされて、ビデオとられて、って、なってくると、ほとんど拷問ですな。で、だんだんワケわかんなくなってくる。これが相手弁護士の狙いか!?という気もしますが、これはやった人にしかわかんないです(私は自分が証言をとられたことがないので、実は分からない人なのです。ごめんなさい。。。)

特許侵害裁判の場合、「侵害・非侵害の決定」と「損害賠償算定」のフェーズがありますが、これ、デポジションでもすごく色が出ます。侵害・非侵害の決定、って技術のお話じゃないですか。すると、ここでの証人ってほとんど技術者の方になります。で、損害賠償算定になると、経理の方や営業の方が証人になります。

技術者の方は、技術の話で盛り上がってくると、情報を提供しすぎちゃう傾向があるようです(笑)。純粋な、エンジニアとしての好奇心というか、なんというか。ほほえましいですが、たまに、イスを蹴ってやろうか、と思うくらい話しちゃう人がいますね。。。「聞かれたことにだけ答える」。鉄則です。

経理・営業の方になると「なんでこんなことされなきゃいけないんだ!?」という思い、あるいは元々営業の方とかは弁が立つ方が多いからか、相手方弁護士に挑もうとする人がいます。。。相手の聞き方は確かに悪い、悪い、悪いけど、「何を聞いてるのか全く理解できませんね。ちゃんと整理してください」って言っちゃったり。相手を怒らせるのもあまりいいアプローチではありません。なのでこれも、とつとつと、聞かれたことに答える、無の境地、これですよ、これ。

いやー、裁判ってほんと、奥が深い。。。お金がかかる。。。。
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by suziefjp | 2008-09-26 08:15 | 知的財産権 | Comments(0)
ども。ほんとはデポジションの続きを書くほうがいいんですけど、今日はちょっと横道です。

というのも英語で知財に関する寄稿をしたんですよ。出版側は、初めて日本をターゲットにする号なので、1冊の中に英語と日本語の両方で記事がのるんだ、と。みんな英語で寄稿して、出版側がまとめて翻訳に出して、日本語版もできあがる、という手続きです。

英語版については出版側と「ここをこう修正したい」とか、何度かやりとりがあったわけですよ。心の中で、日本語版も本当は事前にチェックしたいんだけどなー、とか思ったんですけど、出版側としては、日本語のトーンをそろえるためにも一括して翻訳業者に出す、と。これも一理あります。

そして突如「日本語版ファイナル」なるものがPDFで来ました!・・・・・・がちょーん。こ、これは一体??えーと、機械翻訳??いえいえ、これはちゃんと人手が入ってるんですな。一瞬、目がテンになります。うーん、予想はしてましたが、結構ショック。そりゃあ戸田奈津子さんばりの、バリバリ意訳を期待したわけじゃないですけど、チョー不自然。わたしは何人?って感じの日本語に仕上がってました。

通訳もそうですけど、翻訳は特に、たとえば英語と日本語の間の翻訳で、どっちの方向に対してもできる、というには、英語も日本語も、ものすごーく上手じゃないとできないんですよね。私は英語から日本語の翻訳は喜んでやりますが、はっきりいって、日本語から英語の翻訳はダメです。自信がないですもん。英語ネイティブでもないし、自分でも英語の語彙がすごく限られてるってわかってますから気の利いた単語が出てこない。うちの会社には日本語ができるアメリカ人がいますが、彼が日本語を英語にすると、やっぱり「へー、すごい!」って思うビューチフルな英語になるんですよね。英語から日本語は、もちろん私の余裕勝ちですよ、へっへっへっ。

ある言語に訳すには、その言語で十分な語彙がないとできないわけで、語彙なんて、ビジネス-カジュアルの区別から、業界独自の言い方まであって、通訳とか翻訳で食べていくって、すごい難しいだろうなあ、と思ってしまいました。帰国子女だからって、会社で翻訳とか通訳に借り出される人ってすっごい迷惑だろうなあ、と思ったりもして。だって、日本語に接触している時間はきっと日本で生まれ育った人より少ないわけで、結果、日本語の語彙が少ない、という可能性だって多分にあります。すると、日本語を育った場所の言語にするのは簡単にできても、その言語から日本語にするのって、実はとても難しいんじゃないかと。でも、「帰国子女でしょ?」みたいな先入観もあると、なかなか「いや、日本語はちょっと。。。」ってのもいいづらいですよね。しかも、人によっては「あー、あたし、日本語ちょっとダメなんですよねー。」って、自慢!?ってとっちゃうかもしれないし。

プロの翻訳の場合、意訳が許されてなくて、あくまでも書かれていることを忠実に訳す、そのために、手作業により機械翻訳になってるケースは多々ありますね。これはこれでフラストレーションです。本当はもっときれいな日本語に出来るのに、それだと「忠実」じゃないから、できない、と。私の日本語は、本当はこんなもんじゃねーんだよ!とか思いながら訳すのかな。。。

するとね、結局、経営の話と同じで「優先順位付け」になるんですよね。自然な流れを優先させるのか、逐語であることを優先するのか。これはきっと好みとか、オケージョンによるんですが、ここを先にあわせておかないと、出てきたものに対する評価が完全に分かれちゃいますよね。

コンサルティングやってたときに教えてもらったこと、ってほんと、いろんな場面で役に立つなあ、とあらためて思います。優先順位付けの大切さ、って、意識してなくても、普段のお仕事や日常生活で認識することが多いんです。彼女・彼氏とか結婚相手とか選ぶときも優先順位付けですもんね。家買うときもそうか。ちょっと高めのお買い物もそうかな。すごいぞ、優先順位付け!!優先順位付け・オールマイティー!!すると、優先順位付けができない経営者は、日常生活にも支障を来たす。。。か、ていうと、そうじゃないんですよね。だって、日常生活ではちゃっかりやってたりするんですもん。ずるいよなあ。それなのに、会社ではこっちを立てればこっちが立たず、ああ、どうしよう、とか思ってんのかな。だめじゃん、それ。

なんだかとりとめのない話になりました。でも、今回のラーニングは、アウトプットを作る前に、何を優先させるのか、をちゃんと打ち合わせしましょうね、というところでしょうか。私も最初から「自然な日本語になりますか?」って聞けばよかったかなー。。。(泣)
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by suziefjp | 2008-09-18 07:59 | 知財経営 | Comments(0)
今日も特許侵害訴訟は訴訟のお話ですが、証拠開示手続きの一つ、「デポジション(deposition)」について解説します。デポジションは正確には「証言録取」と翻訳されるようですが、もうご存知の方は「デポジション」「デポ」と呼んでますね。

証拠開示手続きであるディスカバリーは3つの方法で証拠を集めるわけですが、

1. Interrogatories
2. Document Requests
3. Depositions

の3つになります。1.は「質問状」で、書面で質問を提出し、それに対する回答を相手方から得るもの、2はそのままで、「こういう書類を出せ!」と要求するもの、そして、3が今回のデポです。デポでは、実際に証言をとらせろ、ということになります。たとえばこんな感じですね「御社の経理システムについて最も詳しい人の証言を取らせろ」と。こういわれると、弁護士さんを交えて、誰の証言がいいのか、を検討することになります。ちなみに、こういう「~~について最も詳しい人」という指定をされる場合と、名指しの場合があります。名指しの場合は、たとえその人が中身を知らなくても、向こうが名指ししてきたわけですから、こっちとしては、「ざまーみろ」と思って終わりますけど、「~~について一番詳しい人」といわれたときに、出した証人が「わたし、ワカリマセ~ン」だと、やばいですね。裁判所に懲罰を申し立てられる可能性があるので、ここは悪あがきはせず、ちゃんと詳しい人出してください。。。

で、このデポジション。参加したことがある人はご存知の通り、ものすごーーーーーーく手間とお金がかかります。例えば、日本の企業が米国で特許侵害裁判で訴えられて、デポとして「この対象製品の市場に最も詳しい人」という要請をされたとしましょう。で、その人が日本在住の日本人従業員である、と。

<どーんな風にやるの?>
よくあるのは、ご本人に、相手方の弁護士が質問をします。それに対してご本人が答えます。で、裁判ルール上、聞いちゃいけないこと、聞かれても答えなくてもいいこと、なんかがありますから、そういうのを守るために、ご本人の弁護士も出席します。また、日本語を母国語とするご本人の場合、いくら英語ができても、99%、日本語でやるほうがいいです。なので、相手方が通訳をつれてきます。これに対して、こちら側も、相手方の通訳の通訳が正しいか、を、チェックするためのチェック通訳を連れて行きます。(通訳の件については次回以降でちょっとカバーしますね。)そして、多くの場合、デポジションの様子をビデオ録画しますから、ビデオ技術者、そして、会話というか、質疑を記録する記録係(速記者みたいな感じですね)が必要です。そして、ご本人の所属する会社でこの裁判を担当している知財担当者や法務担当者、も出席、という感じです。結構大人数なんですよ。

<誰が参加するの?>
上のをまとめると、ご本人、ご本人側の弁護士、相手方の弁護士、ご本人側の法務あるいは知財担当者、通訳、チェック通訳、ビデオ技術者、ですね。

<どこでやるの?>
日本でやる場合は、アメリカ領事館や大使館です。これは領事館や大使館に場所を借りるための予約をしなきゃいけないので、ものすごーーーく前倒しでプランする必要があります。なんでも、すんごい混んでるらしいですよ。そんなに訴訟が多いのか。さらに!!重要なことに、アメリカ人の弁護士さんがこのデポジションをやるために日本に入国する場合、特別のビザが必要です。普通、アメリカのパスポートを持ってる人が日本に来るのはビザ免除ですが、これは別なんですよ。なので、日本にあるアメリカ領事館や大使館で行う場合は自分の側のアメリカ人弁護士も、相手方のアメリカ人弁護士も、ビザをとって日本に入国する必要があります。
日本じゃなくて、ご本人が知財・法務担当者と米国に行って行う場合は、自分の側の弁護士事務所の会議室とかでやってもらうほうが、少しでもリラックスできるのでおすすめです。

<どれくらい時間がかかるの?>
トピックによって異なります。でも、日本語で行う場合、通訳さんが入るので、時間が2倍かかりますよね。ですから、短くて1日、長くて2日を覚悟しましょう。2日間を越えるような場合は、自分の弁護士に「それは不必要に長すぎる」と、まずは交渉をさせるべきです。
ここでの注意は、本番が1-2日、ということです。本番の前に準備が必要です。準備は、3-5日程度を見ておくと良いでしょう。自分の弁護士が、デポジション心得を説明してくれたり、何を聞かれそうか、こういうことを聞かれたらどうするの?とか、練習をしてくれます。ですから、トータルで、1週間、アメリカでやるなら移動時間とかも含めて10日程度を見ておくほうがいいですね。

<タイミングは?>
これは、「ご本人」が決まった段階で、いつならできる、ということを相手方弁護士と交渉します。上にあるように、移動や準備をも含めて時間かかりますし、日本でやる場合でも領事館や大使館の予約、ビザの手配とかいろいろありますから、前倒しにスケジュールする必要がありますね。


ざっと、こんな感じでしょうか(まあ、まだ中身に全然入ってないですけど。。。)で、よく聞かれるのが、アメリカでやるのと、日本でやるのと、どっちがいいですか?と。これねー、なんともいえないんですよ。デポのご本人がとんでもなく忙しい人だったりすると、日本でやるほうがいいんですけど、そうすると訴訟費用がすんごい高くなります。。。と、いうのも、アメリカ人の弁護士さんって、みんなこのご時世にファーストクラスで移動するんですよね。ロースクール出たてのペーペーの洟垂れ小僧ですら、ファーストですよ。冗談じゃない。聞いただけで、お前なんざあ、貨物にいれてやろうか!と、はらわた煮えくり返りますが、ペーペーもファーストです。で、ホテルも、絶対、ある程度いいホテルに泊まるじゃないですか。もう自分のところの弁護士費用だけで爆発!って感じです。

アメリカでやると、「ご本人」が余計に時間をとられる、という欠点があります。ただし、コスト削減の折、きっと多くの人がエコノミーで飛んでおられるでしょうし、ホテルも、そんなに高いところにお泊りになってない。。。と、すると、結局、何を優先するか、なんですよ。ご本人が通常業務をする時間が増えることで得られる価値と、訴訟費用のバランスです。なので、一概に「アメリカがいい」とか「日本がいい」とかはいえないんです。役立たずでごめんなさい。ただ、アメリカでやるなら、自分の側の弁護士事務所でやりましょう。準備・練習とかもそこでやりますから、少しでも慣れ、リラックス効果が期待できます。

では、次回はもう少し中身に入りますね。
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by suziefjp | 2008-09-17 06:47 | 知的財産権 | Comments(1)
今日は日本は敬老の日でお休みですね。日本って、大体、毎月くらいのペースで祝日があるじゃないですか。あれはいいですよねー。。。アメリカって、実は祝日ってすごい少ないんですよ。会社によってもどの祝日は休みにする、とか違いますし。うちの会社の祝日は年間7日くらいかな?有給は20日くらいありますから、みんな2週間くらいドカーンとバケーションをとっちゃうので大丈夫みたいですが、日本生まれの日本育ちの私のようなタイプだと、なかなかそれができず、結局休まないまま。。。というバカなことになってしまうので、私はやっぱり月1くらいで祝日が巡ってくる方がラクでいいです。。。。

で、まあ、お休みですからたまには知財ネタじゃなくてもいいですよね。今日は英語のお話です。この週末はハリケーン・アイクの影響か、シカゴエリアも大雨。1日あたりの降雨量新記録達成だそうです。シカゴのダウンタウンを流れるシカゴ・リバーでは、大きな木がどんぶらこ~、どんぶらこ~、と流れていきました。これはホント。風のために、どこかで根っこから倒れちゃった大木が流れてきたみたいです。

大雨とはいえ、食料品の買出し等はいかねばなりません!どーせ濡れるし、ということで、ビーチサンダルでぺたぺた出かけました。アメリカのレジって、すごい愛想いいか、悪いか、どっちかしかないわけですが、たまたま愛想のいいおじさんに当たったところ、帰り際に「Stay dry!」といわれました。ほほお、なるほど。雨の日はそう言いますか。物理的に無理ですが、まあ、なんとなくいいもんですね。

そういえば、私が他の場所で気づかなかっただけかもしれませんが、「Have a good day!」の代わりに、「Have a good one!」というのも良くシカゴでは聞きます。NYとか、サンフランシスコに住んでたころって、それほど聞いた覚えがない。。。うーん、気のせいでしょうか。アメリカ人の友達に「ねーねー、Have a good one!ってさ、シカゴで初めて聞いたかも。」というと、「そお?」と、流されたので、あまりたいしたことではないんでしょう(泣)。。。

もうすぐ寒くなるシカゴですが、よく考えれば「Stay warm!」とかもいいますもんね。これって案外、ちょっと気が利いた便利なあいさつなのかも。。。と、発見です。
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by suziefjp | 2008-09-16 04:45 | アメリカ生活 | Comments(0)
なんだかシカゴはすっかり秋の陽気です。涼しくていい感じ。ああ、サンマが食べたい。サンマに大根おろしとおしょうゆで白ゴハンをガッツリ!とか、夢のようなゴハンです。あ、お味噌汁もつけたい。。。今度日本に行ったらお魚用に無煙ロースターでも買いますか。

さて、今日はジョージア・パシフィック・ファクターの最後の5つです。一番最後は知財ご担当の皆様は良くご存知のHypothetical Negotiationという大物。とりあえず、順番にいきましょー!

11. 特許催告を受けた当事者による特許発明の使用程度、使用によって実現された価値を証明するもの
このあたりも結構、これまでに見たものとかぶってますよね。催告を受けた側の営業さんとか、企画さんとか、製法に関する特許なら生産管理や工場などで話を聞くことになります。で、実際にそういう価値が実現された、というかそういうのが必要になりますね。企画書で「この技術を使うとこれだけ売上が伸びると期待される」みたいなのがあって、で、発売後数ヶ月のレビューで、たとえば「予測値には届かなかったものの、やはり新機能搭載により売上がX%アップ」とかの記述があればいいですね。このあたりも、「そういうの、何かありますかねー」と、営業さんや企画さんに相談してみてくださいね。

12. 業界慣習上、特許発明あるいは類似発明の使用に割り当てられるべき利益部分あるいは販売価格部分
これはも見たような気がしますけど、類似技術について支払っているロヤルティ額(%)とかがあればそれを使います。また、これは我々エキスパート側でもRoyalty Sourceなんかを使って調べますし、あと、よくあるのは25%ルールですね。これもカバーしましたよね。ザクザクで営業利益の25%が技術貢献度、というヤツです。この25%をいかに使用されている技術内で割り振るか、ってのがまたあります。(Royalty Stackingというコンセプトがイメージしやすいですかね。いくら技術を使っても、どんどんロヤルティ額が増えるのではなく、割り当てが変わるんだ、というヤツです。そりゃあどんどんロヤルティが膨れ上がったら利益なんて出なくなっちゃいますよね。)

13. 特許発明以外の要素、製造方法、事業リスク、あるいは特許催告を受けた当事者が付加した機能や改善等ではなく、純粋に特許発明の寄与により実現されたといえる利益部分
これ、結局、エキスパートとしては何をお願いしたいか、というと、催告されている技術以外にどれだけ事業努力してるか、とか、コスト削減に努めてるか、とか、もう何でもいいんですよ、正直。営業努力だってあるし、宣伝効果だってあるし。「何でもいいって言われても。。。」と、なってしまうので、こういうのは関係者のみなさんに「とにかく、催告された技術の価値は低いんだ、といいたいんです!我々はこの製品によってこれくらいの利益をあげているわけですが、そうした利益はこの技術貢献以外の他の努力が大きいんだ、といえるもの、何かありませんか?」って聞くしかないんですよ。(あくまでも特許侵害催告を受けた立場では、ですよ?)あ、もちろん、裁判対象になっている技術以外の技術が魅力的なんだ、だから利益が高いんだ、ってのもありです。で、どれが有効か、を判断するわけで、こういうブレーン・ストーミング的なセッションって、弁護士さんやエキスパートと一緒にやるのがいいですね。で、その場でいろいろ皆さんに投げ入れていただいて、それを弁護士やエキスパートが判断して、「それについてはそれを文書で示せるようなものはないですか?」とかつめていくのがベスト・アプローチだと思います。最近はメールがあるので、つい、知財担当者の皆さんもメールで関係者に「こんなのありませんか?」って聞きがちなんですけど、こういうのって、メールとかで聞くと「ありません」とか言われちゃうんですよ。みんなが集まってブレストできるのが一番ですけど、それが難しいようなら、せめて知財担当者の方が営業とか企画とか個別に回って対面でヒアリングする方が絶対いいですよ。おすすめ。

14. 適切な専門家による意見、証言
はい、というのがファクターに入ってるから、アメリカではダメージ・エキスパートってのが存在するわけです。自分の会社の経理担当の方とかが計算した結果だと「適切な専門家の意見・証言」にならないんですね。で、エキスパートもピンキリで、いいのもいればダメなのもたくさんいますから、いいエキスパートを早めにおさえちゃうほうがいいですよ。

15. 特許所有者と催告を受けた当事者が、合理的かつ自発的にライセンス契約に達するべく交渉したと想定した場合のロヤルティ。つまり、対象特許発明を使用して製品を製造・販売しようとした潜在ライセンシーが、支払ったとしてもある程度の利益が手元に残るため喜んで支払おうと考えるロヤルティであり、かつ、特許所有者が喜んでライセンス許諾に応じるロヤルティ(いわゆるhypothetical negotiation(仮想交渉))
きました、Hypothetical Negotiation。これ、結構裁判に入る前にどんな交渉をしたか、とかが証拠として出されること多いんですが、案外、それって使えないんですよ。多くの場合は、「和解しないなら訴訟するぞ!」とか脅されて、苦渋の決断で和解案を提示することのほうが多くて、それは決して「喜んで支払おうと考えるロヤルティ」ではないんですよ。いろいろお話を聞いていると、hypothetical negotiationは無かった?と思うケースのほうが多いです。もちろん、hypothetical negotiationは訴訟開始前に起こった、と想定しますから、何の前触れもなく、いきなりドカーン、と訴訟されたような場合は、このデータはない、ということになっちゃいますよね。hypothetical negotiationをサポートできるような事象があったかどうか、も、まずは弁護士さんやエキスパートと相談してみましょう。無かったら無い、で、無理に当時のミーティングメモとか探す必要ないですし。あまり先入観を持たないで、どういう経緯でこの特許が問題になった、裁判になったのか、を、そのまま弁護士さんやエキスパートに話すのがいいでしょう。そこから、hypothetical negotiationとして使える数値があるのか、は、弁護士やエキスパートが判断すべきです。

で、一通りカバーしました!はー。。。GPファクター考えるだけでも大変ですね。だから訴訟って。。。。こうしてみてくると、ほんとうに、裁判の最初に弁護士、エキスパート、知財担当者、関連しそうな部門の人が集まって、まず状況を話し合う、何が必要になるか、何があるか、とかを確認するセッションが大事だなあ、と思います。これね、費用削減とかでやらないクライアントさんが増えちゃってるし、あと、「技術議論で特許を無効化すればダメージ算定はいらない!」とかでギリギリまでダメージ・エキスパートを雇わない、とか、ダメージ・ディスカバリを始めない、とかいう弁護士さんやクライアントさんも増えてます。こういうの、結局、コストが嵩むんですよ、最後に。しかも、適切な協力が関係部門から得られなくて(時間切れ。大体、「もっと早く言ってくれないと対応できないですよ!」と怒られる。)資料は出てこないわ、ぎりぎりになってダメージ・ディスカバリやるから、エキスパートのほうは数週間でエキスパート・オピニオン出せ、とか弁護士に言われるわ、みんなが不機嫌、不幸になる典型ですね。ウチの昭和一ケタ生まれの母親がよく「安物買いの銭失い」というのを言ってましたが、ぎりぎりになってから数週間でダメージ・ディスカバリをしようとするケースが出てきたり、お金がかかるから、ミーティングはいやだ、とかいうケースにあうと、この言葉を思い出します。。。

とりあえず、GPファクターはカバーしたので、ちょっとこれまでにカバーした内容を見直して、抜けてるところを次はうめていくようにしますね。長いなあ、特許侵害裁判シリーズ。。。
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by suziefjp | 2008-09-12 02:37 | 知的財産権 | Comments(0)
はい、今日もしつこくジョージア・パシフィック・ファクターが続きます。今日はファクターの6つめから10個目までをカバーしますね。

6. 特許催告を受けている当事者の、係争対象商品以外の販売に当該特許技術が及ぼす影響、特許保有者の当該特許製品以外の製品売上への当該特許発明の影響、当該特許発明によって惹起されている特許発明品以外の製品売上(convoyed sales:例えばプリンター技術がカートリッジ売上に及ぼす影響)
ちょっと昨日とはアプローチを変えて一つずつ。。。これは英語で書いているように「Convoyed Sales」と覚えておいていただくほうがアメリカ人弁護士やダメージ・エキスパートとの話は早いかもしれません。例にあるように、対象となっている特許技術はプリンターに関するものでも、いまやプリンターのビジネスってハードウェアではなくてカートリッジとか、紙とかがメーカーさんの収入源であることはみなさんご存知かと思います。そうなると、プリンターが売れることで紙とかカートリッジなんかの売上が伸びるわけで、そうした売上もプリンターに使用されている特許技術のおかげじゃないの、となるわけです。プリンターの他に何かないかな。。。あ、たとえば携帯電話とかで、充電できる専用スタンドとかが別売りだと、当該携帯電話に使われている技術のおかげで携帯が売れて、で、結果的に専用スタンドも売れたから、スタンドから得られる利益も損害賠償算定に含む、という形になります。

7. 特許の残存期間、ライセンス許諾期間
こりゃいいですかね。読んでそのまま、当該特許の残存期間と、もし、その特許がすでにライセンスされていたら、そういうライセンス契約の期間、です。

8. 特許発明を使用した製品の利益率、事業としての成功レベル、現在の市場での需要
このあたりは知財部門ではなくて、営業とか企画とか経理にお話をうかがう部分になりますね。当該特許を使用した製品の利益率が、当該特許を利用していない同様の製品の利益率とどれくらい異なるのか、事業として、その特許発明を使用したことでもたらされている成功はどの程度なのか、そして、その特許発明を使用した製品の市場での需要はどれくらい?というものです。重要なことは、当該特許発明を使用していない、同様の製品と比べてどうなのよ?というのを見なきゃいかん、ということです。でないと、当該特許発明のおかげじゃない利益とか事業成功だってあるわけじゃないですか。テレビCMが良かった、とか調達部門が頑張って低価格で材料を調達したので利益幅が広がった、とか。そういうものはちゃんと除かないと必要以上に特許発明の価値が高くなってしまいます。
こういうのって扱いが難しくて、営業さんとか企画さんとかは「なんで関係ない製品の情報まで出さなきゃいけないんだよ!?」と、なりがちですが、そういうデータを出すことが、最終的に自社の利益につながる(特許侵害で訴えられている立場であれば、当該発明の価値が経済的に低い、ということを立証できればできるほど、損害賠償額も低くなりますね)わけですから、そうした目的、「何のためにそのデータを使うのか」を最初にきっちりご理解いただくことが重要になります。

9. 旧製品と比較した場合の、特許発明を使用した製品の利点(当該旧製品が特許発明を使用した製品の特徴を何らかの別の方法で実現しようとしていた場合)
はい、これも8とほぼ同じですよね。当該発明が使用されていない旧モデルと、今のモデルと何がどう違うのか、コスト、使い勝手、などなど、目的は「問題になっている技術によってもたらされている利益ってナンなのよ?」ということを同定して、その価値がいくらなの?ということを算定するわけです。
この8とか9とかって、ある情報を狙い撃ちするのではなくて、やはり最初に営業とか企画とかの方に集まっていただいて、「こういうことを立証する必要がある、そのためにはどういうデータがありますか?」と聞くほうがいいでしょう。ですから、直接弁護士やダメージ・エキスパートと営業や企画の方が話す方がいい場合もあります。知財の方が間に入る場合でも、何を証明したいのか、という目的を営業や企画の方に説明する方が早いと思います。具体的に「こんな情報ありますか?」と聞くと、「ない!」といわれ、あとで出てきて、相手方に「わざと隠したな!」とか言われて、裁判所にサンクションでも申し立てられたらもうどーしようもありません。

10. 特許発明の性質:特許名義人による事業化の状態、特許発明使用者が享受する利点
これは権利主張している特許所有者が出すデータですね。自分で事業化しているのか、あるいは業界で受け入れられて広くライセンスされているのか、それで得ている利益は?その発明が差別化要素になっていて市場シェア拡大に貢献してくれた?そういうヤツです。

はい、とりあえず10個終わりました。3分の2終わりました、3分の2!!こうしてみてくると、難しいことはないんですよ。あらかじめ知っているか知らないかだけの差です。知らないと、こういうのを要求されて「何でそこまでしなきゃいけないんだよおおお!」となりますが、知ってたら、次はこれ出さなきゃ、とか、前倒しで作業も出来るし、社内調整もできます。

結構ね、知財という分野を離れても「知ってるか知らないかの差」だけ、ってあるんですよ。経営にしても、こういう風にやるとある程度までは大丈夫だよ、というのを知ってるかどうかの差、ってのはあるんです。知ってるか知らないか、知ってて実行できるかできないか、多分、こういう2つのハードルなんだろうなあ、と思います。

さて、次は最後の5つを見て行きましょう。
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by suziefjp | 2008-09-10 07:05 | 知的財産権 | Comments(0)
ちょっと書きましたが、ほんとに大統領選がおもしろいです。ちょうどブッシュの初戦のとき(民主党がゴアでしたね)もアメリカにいましたが、この時期はつい、CNNを見まくってしまいます。

友人が欧米人と話していたときに、あるアメリカ人が「なぜ日本人は政治に興味をもたないんだ?」と言ったのに対して、私の友人が「アメリカ人だっておもしろいから見てるだけで、ドラマとかを見るのとノリは同じ。政治に興味があるわけじゃない。」と言い返したら、周りのヨーロッパ人から拍手喝采を浴びたそうですが(えらい!)、それはその通り!本当に、エンタテイメントとしておもしろいんですよ。

4日間にわたってそれぞれ行われる民主党大会、共和党大会なんかも、各党の大統領候補の生い立ちなんかを紹介して、ノリは結婚式の披露宴ですな。つい、「へー」「ほー」と見ちゃう。だから、日本でも、日本の首相の出身大学とか知らなくても、オバマ候補がハーバード・ロースクールで初の黒人のLaw Review Editorだった、とかは知られちゃうかもしれんですな。(オバマ候補は黒人、黒人、と言われてますが、お母さんは白人でお父さんがケニア人ですね。)

今回の大統領選の極めつけはなんといっても、共和党の副大統領候補、サラ・ペイリン氏でしょう。いやあ、共和党、やってくれます。なんておいしいネタを提供してくれるんでしょう。アメリカでは、ペイリン氏のかけてる眼鏡と同じタイプのフレームがバカ売れしてるらしいですよ。おいおい。。。

あと、いろんな人が出てきてディベート(討論)をします。日本人は討論がヘタ、というのは通説で言われていますが、じゃあ、アメリカ人がうまいか、っていうと。。。。これも単に一般論にすぎないことがこういう機会に良く分かります。結局、人の話を聞かないで相手がしゃべろうが言いたいことは全部言う、そしてコマーシャルに突入あるいは時間切れを狙う、という戦略か!?と思う人が、たっくさんテレビに出てます。もちろん、「ひょえー、この人、頭いいっ!」って思う人もいますよ?でも、全員がそういうわけじゃなくて、ほんとに、とにかくしゃべる、論理が支離滅裂だろうがしゃべる、という人もたくさんいるわけです。こういうのを見てると、アメリカ人はディベートが上手、というのは明らかに一般化しすぎだとよく分かります。まず、ディベートって何?という定義をすべきでしょうね。言いたいことをとにかくどんな障害にもめげずに言う、ということであれば、確かにウマイ。(私は個人的には相手の話をゆっくり聞いて、相手が息切れしたところで一言で止めをさすタイプのほうが好きです。こういうことを言うと、性格の悪さが出てる、といわれるんですけど、そうかなあ???)

そうそう、ペイリン氏といえば、彼女のあだ名は「バラクーダ」。バラクーダはみなさんご存知かと思いますが、肉食性のもんのすごい獰猛な魚ですよね。怖い、って。。。高校時代にバスケットボールをしていたそうですが、あまりのアグレッシブさからついたあだ名だとか。そのため、共和党大会の最後には「バラクーダ」の曲がかかってました。すごいなー。彼女が出てきてからhockey momというのも良く見ます。これはsoccer momと同じで、子供のアイスホッケーやサッカーの試合に応援にいって、子供より興奮してものすごいアグレッシブな応援をするお母さんですね(笑)。通常はsoccer momのようですが、ペイリン氏はアラスカの人なので、サッカーじゃなく、ホッケー。あと、やっぱり獰猛な種類の犬である「ピット・ブル」もペイリン氏の形容として使われてます。うーん、すごい、すごすぎます。

私にとってはこういう色んな表現を覚えるためだけでも選挙戦を見るのはおもしろいです。日本の政治では見られないような、ほんとに連ドラなみのおもしろさ。言うこと、すること、ほんとに見てて飽きないんですよねぇ。とりあえず、11月の選挙が終わるまで、私のCNNチャンネル率は高い日々が続くのです。。。
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by suziefjp | 2008-09-09 07:12 | アメリカ生活 | Comments(0)
どうも最近、大統領選がおもしろくてCNNばっかり見ていてつい時間がたってしまいます。こういう選挙戦って、私にとっては知らない英語を勉強したり、アメリカ文化を知るのにいい機会です。選挙戦はヘタな連ドラよりおもしろいです。視聴率もすごいみたいで、例えば民主党大会でのオバマ演説は「アメリカン・アイドル」の最終回よりもたくさんの人が見たらしいです。おいおい、ベンチマークがアメリカン・アイドルかよ。。。。

さて、今回はまず、ジョージア・パシフィック・ファクター(GPファクター)の最初の5つを見てみましょう。

1. 係争中の特許につき、特許所有者がこれまでに受領したロヤルティ額
2. 係争中特許と同様の特許に支払われているロヤルティ率
3. ライセンスの内容、範囲:独占/非独占、地域限定、売り先(顧客)限定、等
4. 特許所有者のライセンス・ポリシー:誰にもライセンス許諾せず特許による独占を享受するのか、ある一定の条件をつけることで確保したい独占権を享受しつつライセンス許諾を実施するのか、等
5. 特許所有者と特許催告を受けている当事者のビジネス関係:競合、発明家と事業会社、等

まず、1-4ですが、これは明らかに企業の知財部門で集める情報になりますね。1は、もし、今まで係争対象になっている特許について他社からロヤルティを受領していればその額です。1-3は結局、ライセンス契約を提出する、ということになるわけです。これ、例えばみなさんが特許所有者として訴えている立場の場合、1-3すべての情報を出すことになりますが、訴えられている場合も2-3を反論材料として出さないといけません。

2の「同様の特許」って実はクセ者なんですよ。同様ってなによう(く、くだらん。。。)と。これは弁護士さんと相談するしかないと思います。あと、1を出す立場としても、その対象特許だけがライセンスされている契約だったら問題ないですけど、クロスライセンスならどうなのよ?とか、その特許に加えて他にも2-3件、いや、もっとたくさんの特許が一緒にライセンスされているような場合はどうなのよ?と。こういうものは、もう社内で考えるより、絶対弁護士に相談した方がいいです。で、弁護士は大体「全部出せ」といいますから、ここでもめます。出すにしても社内で出すことについて了解を得るプロセスも必要でしょうし、大事なことは、前倒しに弁護士に状況を知らせて対策を話し合う時間をとる、ということです。あまりなんの解決にもなってませんけど、「有無を言わさず出せ!」となるとホントにケンカになっちゃいますが、とりあえず、言いたいことは言ったし。。。というのは人間、「ま、しゃーないか」と思うためにも必要なプロセスだと思うわけです。ですから、大事なことは、何が必要かあらかじめ知っておいて、ちゃんと関係者を交えて話し合う時間を持つこと、だと思います。

4.はまさに企業の知財部門が出さないといけないですね。これ、何か文書とかでもっておかれると便利だと思いますよ。(もちろん、それを文書化するときにも弁護士さんを交えてどのような文章がいいのか、など、決めるべきです。)もし、それが文書化されていないと、「じゃあデポジション」となっちゃって、知財担当役員とか、がデポジションに引きずり出されたりします。世の中、そういう人が引きずり出された方が有利に進むケースと、コイツにだけはしゃべってほしくない、と思うケースがありますから(笑)、一番安全なのはポリシーを文書化しておいて、言われたら「ほいっ!」と文書を出せるようにしておくことでしょう。リスク管理。

5はフツーに市場データとかから立証できますね。最初の5つの中ではこれが一番手間がかからないと思います。でも、誰を競合と位置づけているか、が、営業とか事業企画とかで違う可能性もありますから、これは知財部門ではなく、営業や企画の人にも話を聞いたうえで対応してください。その上で、何か市場調査データなんかがあれば提出するといいと思います。

と、いうことで、次回は次の5つを見ていきます。しかし見れば見るほど、ああ、訴訟って手間がかかるのね、儲かるのは弁護士さん。。。という気がしてきます。結構ウチみたいなエキスパートもツライんですよ。弁護士さんは自分達のフィーより、こっちのフィーをクライアントのために値切ろうとしてくるし(時給は弁護士さんのほうが大体劇的に高いですけど。。。)、損害賠償算定のためにこういうデータをくれ、といっても、クライアントさんになかなか言ってくれないときもあって、時間だけがたっちゃうし。エキスパートのお仕事をやるたびに、本当に弁護士選びって大切!と思います。。
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by suziefjp | 2008-09-09 06:47 | 知的財産権 | Comments(0)
ブログスキン変更です♪ まーねー、まだ秋っちゅう感じじゃないですが、私の中では9月は秋なのです!6-8月が夏、9-11月が秋です。バスルームのタオルも金魚柄から紅葉柄に変更済みです。どーも、こういうところにわたしゃ融通が利かなくていけません。以前、金曜の夜に食事に出かけて、帰りが結構早かったんですよ。で、いつも土曜日に食料品の買出しに行くんですが、いつもいくスーパーがまだ開いてたのを見て、ウチの人が「あ、買い物しちゃう?」と聞いてくれたときに「え、でも、土曜日じゃないし。。。」と、言ってドン引きされました。他意はなかったんだがなあ。。。

おっと、余談でした。今日はジョージア・パシフィック・ファクターです。アメリカは判例法ですから、あるセオリーが確立された裁判件名から、こういう命名がされますね。このファクターも、ジョージア・パシフィック社がかかわった裁判で確立されたものです。こういう命名、知財関係者の中で有名なのはなんといっても「マークマン・ヒアリング」でしょうか。

ジョージア・パシフィック・ファクターは全部で15のファクターによる「Reasonable Royalty」のチェックポイントってな感じです。まずは全部のファクターを紹介しますね。

1. 係争中の特許につき、特許所有者がこれまでに受領したロヤルティ額
2. 係争中特許と同様の特許に支払われているロヤルティ率
3. ライセンスの内容、範囲:独占/非独占、地域限定、売り先(顧客)限定、等
4. 特許所有者のライセンス・ポリシー:誰にもライセンス許諾せず特許による独占を享受するのか、ある一定の条件をつけることで確保したい独占権を享受しつつライセンス許諾を実施するのか、等
5. 特許所有者と特許催告を受けている当事者のビジネス関係:競合、発明家と事業会社、等
6. 特許催告を受けている当事者の、係争対象商品以外の販売に当該特許技術が及ぼす影響、特許保有者の当該特許製品以外の製品売上への当該特許発明の影響、当該特許発明によって惹起されている特許発明品以外の製品売上(convoyed sales:例えばプリンター技術がカートリッジ売上に及ぼす影響)
7. 特許の残存期間、ライセンス許諾期間
8. 特許発明を使用した製品の利益率、事業としての成功レベル、現在の市場での需要
9. 旧製品と比較した場合の、特許発明を使用した製品の利点(当該旧製品が特許発明を使用した製品の特徴を何らかの別の方法で実現しようとしていた場合)
10. 特許発明の性質:特許名義人による事業化の状態、特許発明使用者が享受する利点
11. 特許催告を受けた当事者による特許発明の使用程度、使用によって実現された価値を証明するもの
12. 業界慣習上、特許発明あるいは類似発明の使用に割り当てられるべき利益部分あるいは販売価格部分
13. 特許発明以外の要素、製造方法、事業リスク、あるいは特許催告を受けた当事者が付加した機能や改善等ではなく、純粋に特許発明の寄与により実現されたといえる利益部分
14. 適切な専門家による意見、証言
15. 特許所有者と催告を受けた当事者が、合理的かつ自発的にライセンス契約に達するべく交渉したと想定した場合のロヤルティ。つまり、対象特許発明を使用して製品を製造・販売しようとした潜在ライセンシーが、支払ったとしてもある程度の利益が手元に残るため喜んで支払おうと考えるロヤルティであり、かつ、特許所有者が喜んでライセンス許諾に応じるロヤルティ(いわゆるhypothetical negotiation(仮想交渉))

おー、もりだくさん。すでに今まででカバーした内容も少しありますね。ダメージ・エキスパートは、たとえば、マーケット・アプローチとかインカム・アプローチとか、コスト・アプローチとかでReasonable Royaltyを算出して、で、このGPファクターを一つずつチェックして、Royalty値を上下に調整します。典型的なダメージ・エキスパート・レポートだと、本当に、このファクター一つずつについて、当該案件ではロヤルティを上げる方向に働くのか、下げる方向に働くのかを見て行きます。

一つずつ見ていくと、これだけで今年一杯ネタに困らないんじゃないか、という気もしますが、そんなセコイまねはしませんぜ、へっへっへっ。次回はこれをいくつかまとめて見ていきますね!今の段階で、皆さんにぜひご存知頂きたいことは、損害賠償算定をする上で「なんでそんな情報まで要求されなきゃいけないんだ!」と思われたことはありませんか?今までカバーしてきたお話の中で、製造部門の稼働率もたいがいですが、多くの場合、「なんでそこまで!?」というのって、大体、このGPファクターがらみだとおもいます。そしてこのGPファクター、実は知財部門にある情報が多かったりするんですね。
なので、皆さんは関連部署に「情報出してー、出してー、出してー」と、お願いすると同時に、自分達も情報だしていかなきゃいかん、ということで、大変なわけです。ああ、訴訟なんてやるもんじゃありません。いえいえ、そんなこと言ってはいけません。正当な権利であれば行使も必要。(トロールは私は「どわぁいきらい」ですけど。畳の上で死ねないぜ!と思います。ま、日本人・日本発のトロールって聞いたことがないですから、多くのトロールは畳なんて座ったことがないから関係ないんだろうな。。。)

では続きはまたー♪
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by suziefjp | 2008-09-03 08:02 | 知的財産権 | Comments(0)

知的財産権のお話を中心に、たべもののこと、アメリカのこと、いろいろお話ししていきますね♪


by suziefjp